図面から見積を自動で出すには、何が要るか?
要るのは、これから見積もる図面、過去の図面、過去の見積と実績工数の3つです。過去の見積と実績工数が図番で結び付いていれば、似た図面から下書きを出せます。
過去の見積がExcelやメールに散らばっていても始められます。最初は直近の数十件を図番で結び付け、使いながら古いものを足します。単価やアワーレートの決め方そのものは、このページでは扱いません。単価の計算と見積書の作り方は別の分野のページにあります。
手順は?
受け取り・読み取り・確認・似た図面の検索・下書き・実績工数を戻す、の6段階です。人が手を動かすのは、確認と値決めの2か所です。
図面を受け取る
項目を読む
要確認を見る
似た図面を探す
下書きを出して値決めする
実績工数を戻す
どこまでを自動にして、どこを人が見るか?
文字を読む・探す・並べるのはAI、値段と段取りを決めるのは人、と分けます。読み取りに自信のない項目と、過去に似た図面がない新しい形の部品は、必ず人が見ます。
理由は作業ごとに違います。受け取りと仕分けは、決まったフォルダに置けば客先と図番で並べられるので自動です。読み取りは、表題欄が読みやすい一方で公差の記号は読み違いが出やすいため、自信のない項目だけを人が見ます。値決めは、客先との関係やそのときの忙しさで変わるので人が行います。
見積の加工時間は、自動で出せるか?
似た過去図面の実績工数を並べて、見込みの下書きにできます。下書きに要るのは、材質・外形・公差と表面粗さ・数量・表面処理の5つを図面から読むことです。新しい形の部品や、段取りが大きく違う品目は、人が見込みを直します。
加工時間の下書きは、図面から読んだ項目を、見積のどの数字に使うかで組み立てます。
| 図面から読む項目 | 見積の下書きで使う所 | 人が決めること |
|---|---|---|
| 材質(例:S45C、A5052) | 材料費(重量×材料の単価) | 材料の単価、手配の先 |
| 外形の寸法 | 素材の寸法(仕上がりの寸法に取り代を足す)と重量 | 取り代の大きさ、素材の形(丸棒・板など) |
| 公差・普通公差の等級・表面粗さ(Ra など) | 工程の分け方と、仕上げの時間の上乗せ | 厳しい公差に要る工程と検査 |
| 数量 | 段取りの時間を何個で割るか | ロットの分け方 |
| 表面処理・熱処理 | 外注費の行 | 外注先と、その単価 |
似た図面の実績工数を横に並べると、見積と実績工数のずれが大きい品目に気づけます。見積と実績工数のずれを毎月集計すれば、次の見積の見込みを直す材料になります。板金の図面では、DXFの展開図から切断長・穴数・曲げ線の数を数えられ、架空の板金部品20点で描き方のくせ5種類に合わせると20点すべてで正解と合いました(板金の図面の記事)。単価やアワーレートの決め方と見積書の作成は、図面よみの担当ではなく、見積の自動化の分野で扱います。
1件の見積で、どこの時間が減るか?
減りやすいのは、図面を見て項目を拾う時間と、似た過去図面を探す時間です。値決めにかかる時間は、ほとんど変わりません。
減るのは、図面を見て項目を拾う時間と、似た過去図面を探す時間です。値決めと見積書の時間は、ほとんど縮みません。導入例(イメージ)の精密切削の会社では、1件30分の見積を3つに分けて想定し、10分まで縮む想定にしています(測った数字ではありません)。分け方の表は導入例のページにあります。御社の件数と時間での金額は、図面の見積の手間の計算機で試せます。
よくある失敗は?
過去の見積と図面が結び付いていない、下書きをそのまま出してしまう、実績工数を戻さない、の3つです。
過去の見積と図面が結び付いていなかった
似た図面が見つかっても、そのときの見積と実績工数が出てこなければ下書きは作れません。最初に、直近の見積と図番を1つの表で結び付けます。
下書きの金額をそのまま出してしまった
下書きは前回の数字を並べたものです。材料の値上がりや段取りの違いは入っていません。下書きの画面に「値決めは人」と書き、確定の操作を人に残します。
実績工数を戻さず、見込みが良くならなかった
加工が終わったあとの実績工数を戻さないと、似た図面を探しても古い数字しか出ません。月に1回、実績工数をまとめて戻す日を決めます。
よくある質問
- 過去の見積がExcelやメールに散らばっていても始められる?
- 始められます。直近の数十件を図番で結び付けるところから始め、使いながら古いものを足します。
- 見積書の形も変わる?
- 変わりません。下書きの数字は、今の見積書のExcelへ書き込みます。
- AIが出した金額で、そのまま見積を出してよい?
- 出さないでください。下書きは似た図面の前回の数字を並べたものです。値決めは、段取りや忙しさを知っている人が行います。
客先の図面を、御社のやり方のままAIで読む。
今の図面台帳も見積のExcelも、そのまま使えます。1社の客先の図面からお受けする、中小企業向けのAI導入支援です。何をどう頼むか決まっていなくても大丈夫です。御社のやり方に合わせて、進め方を一緒に考えます。
無料で相談する出典
- 図面よみの導入例(イメージ)かなめ精工(架空)の想定値(2026年10月16日確認)
- 図面よみの実験(2026年10月16日)。架空の板金部品20点のDXFから切断長・穴数・曲げ線を数えた(2026年10月16日確認)
変更履歴
| 更新:作業の分担の表を図に差し替え | |
| 公開 |