図面よみ中小企業のAI導入支援|図面の読み取り・管理・見積もりの自動化から図面の読み取り・版管理 専門

用語

図面OCRとは|普通のOCRとの違いと、表題欄・図番・版数・公差の意味

図面OCRとは、図面の画像やPDFから、図番・材質・寸法・公差などの文字を読み取ってデータにする技術です。普通の文書と違い、文字が線や記号と重なり、向きもばらばらなので、どこに何が書かれているかを見つける所から難しくなります。表題欄の項目は読みやすく、公差の記号や手書きの注記は人の確認が要ります。このページでは、用語の意味と、論文の精度の数字の読み方を説明します(2026年10月時点)。

書いた人
ai-dounyuu.com 主宰(元AIエンジニア)
公開
更新
事実の確認

図面OCRとは?

図面OCRとは、図面の画像やPDFから文字を読み取り、図番・材質・寸法・公差などの項目に分けてデータにする技術です。読むだけでなく、どの文字がどの項目かを決める所までを含めて呼ぶことが多いです。

OCRは、画像の中の文字を読む技術の総称です。図面OCRはその中でも、図面に特有の書き方(表題欄の枠、寸法線、公差の記号)に合わせたものを指します。読み取った結果は、図面台帳・検索・見積の下書きに使います。

普通の文書のOCRと、何が違うのか?

図面では文字が線や記号と重なり、縦書きや斜めの向きも混ざります。さらに、同じ「10」でも寸法・公差・個数のどれなのかで意味が変わるため、位置から項目を決める必要があります。

違い 普通の文書 図面
文字の並び 左から右へ、行ごと 図の中に散らばり、向きもばらばら
線との重なり 少ない 寸法線や引出線と重なる
記号 少ない φ・±・R・幾何公差の記号が多い
項目の決め方 見出しや表の列で決まる 表題欄の枠や、寸法線との位置で決まる

読み違えやすいのは、0と英字のO、1と英字の小文字のエル、φと0、小数点とかすれの点です。FAXで届いた図面は縦の解像度が低いので、公差の小さな数字がつぶれやすくなります。

表題欄・図番・版数・公差とは?

表題欄は図面の右下にある枠で、図番・品名・材質・尺度・作成者などを書きます。図番は図面を特定する番号、版数は改訂の回数を示す記号、公差は寸法に許すずれの幅です。

用語 意味 読み取りで気をつけること
表題欄 図面を特定する事項を書く枠。右下に置くのが一般的 客先ごとに枠の並びが違う
図番 図面を特定する番号 ハイフンや0の有無で別の図面になる
版数(リビジョン) 改訂の回数を示す記号(A・B・C、1・2・3など) 改訂欄と表題欄で食い違うことがある
公差 寸法に許すずれの幅(±0.05など) ±の記号と小数の桁を確かめる
表面処理 めっき・塗装などの指示 略号を社内の呼び方にそろえる

表題欄から何を読めば台帳になるかは、表題欄の項目の記事で、項目の選び方と位置を説明します。

論文の「精度90%」は、どう読めばよいか?

図面OCRの論文の数字は、評価に使った図面の枚数と、採点した項目を確かめてから読みます。2023年のeDOCrの論文は、図面7枚で評価し、うち3枚では表題欄と枠の上の検出を採点から外しています。

Villena Toroらの論文(Frontiers in Manufacturing Technology、2023年3月)は、寸法と幾何公差の枠を読むツール「eDOCr」を作りました。検出の適合率と再現率は90%、認識のF1は94%、文字の誤り率は8%と報告しています。評価に使った図面は7枚で、うち1枚は協力企業の非公開の図面です(論文5.3節の表3の説明)。Halter・Gripper・Adapterplatteの3枚では、枠が検出できなかったため、表題欄と枠の上にある寸法・幾何公差の検出を採点から外しています。残り4枚の扱いは本文から確かめられませんでした。

つまり、この数字は「寸法と公差を、7枚の図面で測った結果」です。台帳に使う表題欄の読み取りの精度を示すものではありません。架空の部品図60枚で項目ごとに測った結果は精度の実験の記事にあります(論文の前提は図面OCRの論文の記事でくわしく読んでいます)。架空の部品図60枚(1つの様式)をCADのPDF(300dpiの画像にして読んだもの)で測った正解率は、表題欄の4項目が100%、寸法68.6%でした。寸法の数字は、項目の位置を正解の座標で割り当てた条件の値です。表題欄の4項目は、見出しの文字から位置を探す条件でも100%でした。

図面OCRで、よくある読み違いは?

よくあるのは、似た形の文字の取り違え、記号の読み落とし、項目の取り違えの3つです。どれも、自信のない項目に印を付けて人が見る形にすれば、台帳に誤りのまま入るのを防げます。

似た形の文字を取り違える

0とO、1とl、φと0のように形が近い文字は、図番や寸法で取り違えが起きます。図番は客先ごとの書式(桁数・ハイフンの位置)と照らし合わせ、合わないものを要確認にします。

記号を読み落とす

±やφ、幾何公差の記号を落とすと、数字だけが残って意味が変わります。公差の項目は、記号が付いているかを必ず確かめる項目にします。

項目を取り違える

表題欄の「材質」の欄に書かれた文字を、隣の「表面処理」として読むような取り違えです。客先ごとに表題欄の枠の並びを覚えさせ、位置がずれたものを要確認にします。

よくある質問

図面OCRと、普通のAI-OCRサービスは何が違う?
普通のAI-OCRは帳票の決まった欄を読むのが得意です。図面OCRは、図の中に散らばる寸法や公差を位置から項目に分ける所まで扱います。
手書きの図面も読める?
読めますが、印字より読み違いが増えます。手書きの項目は要確認にして、人が元の図面と見比べる前提で使います。
CADのデータがあれば、OCRは要らない?
DXFのように文字がデータとして入っていれば、OCRなしで取り出せます。紙やスキャンの図面にだけOCRを使います。

客先の図面を、御社のやり方のままAIで読む。

今の図面台帳も見積のExcelも、そのまま使えます。1社の客先の図面からお受けする、中小企業向けのAI導入支援です。何をどう頼むか決まっていなくても大丈夫です。御社のやり方に合わせて、進め方を一緒に考えます。

無料で相談する

頼み先の比較/図面の見積の手間の計算機

出典

  1. Villena Toro, J., Wiberg, A., Tarkian, M.「Optical character recognition on engineering drawings to achieve automation in production quality control」Frontiers in Manufacturing Technology 3(2023年3月20日)(2026年10月16日確認)
  2. ITU-T Recommendation T.4(FAXの解像度)(2026年10月14日確認)

変更履歴

公開