Excel台帳1枚から業務アプリの試作まで、作り方の6工程にかかる時間を計った

業務アプリの作り方で最初の一歩になる試作とは、今のExcel台帳の項目のまま、動く画面を先に作って見せることです。あつらえアプリの試作は、人の確認を入れて最短当日です。架空の顧客・案件台帳(300行)で計ると、そのうちコーディング用のAIが画面を書く時間は、最初の画面まで102秒、一覧・入力・権限・CSV取り込み・帳票PDFの6工程で4分8秒でした。日数がかかるのは、項目の意味をうかがって決める打ち合わせ、データの整理と移行、権限と手順書の作業のほうです(2026年10月時点)。
全体の流れと費用は業務アプリの独自開発のページにまとめています。
要点
- 人の確認を入れた試作は最短当日です。AIが画面を書く時間は台帳300行で4分8秒(1回の計測で、人の確認は別)。
- 6工程で長かったのはCSV取り込み64秒、一覧と入力62秒、帳票PDF53秒で、項目の確認は18秒でした。
- 書き方の崩れを整えたセルは343か所で、その前に依頼者へ聞く質問を10問書き出しました。
- 試作を見たあとの直し12件は3回で計3分28秒、1件平均約17秒で、前の工程のやり直しは0件でした。
目次
業務アプリの試作には、何時間かかりましたか?
人の確認を入れて、試作は最短当日です(AIが画面を書く時間は、架空の台帳300行で6工程4分8秒)。あつらえアプリの一式50万円〜には、ご担当者に項目の意味をうかがって決める時間、実際のデータの整理と移行、使う人ごとの権限の設定、手順書、納品から3か月の無料の直しが入ります。日数がかかるのは、こちらの作業です。
計ったのは、あつらえアプリが架空の顧客・案件台帳(300行)で試した記録です。コードはコーディング用のAIで書き、工程ごとの時刻を残しました。台帳を受け取ってから最初の画面が出るまで102秒、帳票PDFまでの6工程で4分8秒です。この時間に、人が質問に答える時間や打ち合わせは入っていません。
業務アプリの独自開発の作り方の解説を検索で探すと、完成までの目安は日や月の単位で書かれています。ノーコードを扱う解説記事(ホスティング会社のサイト)は、最初の試作品を数日で形にできるとしています。工程ごとに何秒かかったかの数字は、上位の記事にはありませんでした。計った6工程の時間は次のとおりで、長いのはCSV取り込みと一覧・入力の画面です。
| 工程 | したこと | 時間(秒) |
|---|---|---|
| 1 項目の確認 | 列ごとに型の混ざり方と空欄を数え、質問10問を書き出す | 18 |
| 2 データを整える | 社名・日付・金額・状態をそろえ、重複を1つにする | 23 |
| 3 一覧と入力 | 検索つきの一覧、入力画面、変えた日と人の記録 | 62 |
| 4 権限 | 営業は自分の案件だけ、事務は全部、社長は見るだけ | 28 |
| 5 CSV取り込み | Shift_JISとUTF-8を読み、誤りの行は理由つきで断る | 64 |
| 6 帳票PDF | 案件一覧と見積書をA4のPDFにする | 53 |
どんな台帳を、どうやって試作したのですか?
試作に使ったのは、金属加工の会社を想定した架空の顧客・案件台帳です。300行・12列で、顧客名・受付日・金額・状態・担当・次回などの列があります。実物の台帳でよく見る崩れを、決めた件数だけ混ぜてあります。
顧客名は40社なのに、「(株)」「株式会社」や半角カナの違いで123通りの書き方があります。受付日には和暦の略記26件、年のない日付24件、スラッシュの文字列26件が混ざっています。金額は「円」付きが20件、「万」の書き方が6件、空欄が19件です。状態は正式な5つに対して12通りあり、まったく同じ行も6件あります。
アプリはPythonの標準ライブラリとSQLiteで書きました。PDFは、ブラウザの印刷の仕組み(Playwright)で作っています。
各工程の時間は、前の工程が終わった時刻からその工程が終わった時刻までです。依頼者の回答と直しの依頼12件は、計測の前に依頼者役として書いた架空のものです。台帳を作るスクリプトは乱数の種を固定しています。台本・作業の時刻の記録・架空の台帳は実験の台本とデータ(zip)に入れました。
項目の確認とデータの整理では、何を決めましたか?
台帳を見て書き出した質問は10問で、そのうち9問の答えでデータの整え方が決まりました。たとえば「金額は税抜か税込か」「『済』は納品済か」「営業は誰の案件を直してよいか」です。備考の扱い1問は決めず、自由に書く欄のまま先へ進めました。
答えに沿って整えると、300行は294行になり、直したセルは343か所でした。内訳は顧客名121、受付日73、金額26、状態123です。コードの要点は、表記ゆれを1つの書き方に寄せる対応表です。
# s2_clean.py(抜粋)。依頼者の回答どおりに状態をそろえる
STATE = {'受注済': '受注', '〇受注': '受注', '済': '納品済', '見積中': '見積提出'}
st2 = STATE.get(st, st)
整えたあとに、聞き直しが要るものも見つかりました。年のない日付24件を前の行の年で補ったところ、4件で次回の日付が受付日より前になったのです。作る時間は秒で済んでも、こうした確認は依頼者に聞かないと進みません。
要件が決まっていなくても、試作を見ながら決められますか?
決められます。試作を3回見せる想定で12件の直しを反映すると、合計3分28秒、1件あたり平均約17秒でした。前の工程に戻ってやり直した直しは0件です。
12件のうち6件は、元のExcelになかった決めごとでした。失注の理由を選ぶ欄、次回の日付が過ぎた案件を赤で先頭に出す表示、CSVの同じ行を上書きする決まりなどです。失注の理由はデータベースに列を1つ足すだけで済みました。
見せたことで、台帳の足りない所も分かりました。社長の画面に今月の受注金額を出す直しでは、台帳に「受注した日」の列がありません。試作では受付日で数えて注記を付け、次に依頼者へ聞く質問に回しました。私が実物で進めるときも、紙の要件書より先に画面を見ていただき、こうした決めごとを一緒に拾います。
権限・CSV取り込み・帳票PDFは、どこまで動きましたか?
3つとも、決めた動きを確かめるところまで動きました。権限では、営業が他人の案件を保存しようとすると断られ、社長の入力画面には保存ボタンが出ません。保存のたびに、変えた日・変えた人・変えた項目が記録に残ります。
CSV取り込みは、文字コードがShift_JISのファイルとUTF-8のファイルの両方を読みます。誤りを3行含む5行のCSVで試すと、2行を取り込み、3行を行番号と理由つきで断りました。断った理由は「年のない日付」「『45万』の金額」「選べない状態」です。
帳票は、受注59件の案件一覧がA4 3ページ、見積書が1ページです。担当5人の小計の合計は34,101,600円で、一覧の合計と一致しました。
試作の時間を、そのまま見積もりに使ってよいですか?
使えません。この記録の秒数は、AIがコードを書く速さと、中身を知っている側が作った架空の台帳に支えられた数字です。それでも、どこに時間がかかるかを考える手がかりにはなります。
限界は次の3つです。
- 依頼者が質問に答えるまでの時間と、試作を見せる打ち合わせの時間は入っていません
- 試作のパスワードは仮のもので、バックアップや記録の保管期間も決めていません
- 帳票の様式やつなぎ込むシステムが増えると、工程5と6の時間は伸びます
時間を読みにくくするのは、10問の質問と、見せてから出る決めごとのほうでした。自社の台帳なら、列の数と書き方の崩れ、決まっていない項目の数を数えると、手間の大きさの見当がつきます。試作は最短当日、使い始めは最短その週からです。
このサイトで相談するには?
あつらえアプリでは、今の台帳から試作した画面を見ながら、項目や権限を一緒に決めていけます。何をどう頼むか決まっていなくても大丈夫です。御社のやり方に合わせて、進め方を一緒に考えます。
準備は要りません。無料で相談するから、お気軽にどうぞ。
よくある質問
- 実際の会社の台帳でも、数分で試作できますか?
- 画面を作る作業は、同じくらいの規模なら当日中に収まる見込みです。ただし項目の意味を確かめる答えを待つ時間がかかります。試作は最短当日です。
- 何を作りたいか決まっていなくても、頼めますか?
- はい。この記録でも、12件の直しは試作を見てから出たものとして扱い、3回で反映しました。見ながら決めるほうが、紙の上で決めるより食い違いが減ります。
- Excelのデータは、そのまま移せますか?
- 整える作業が要ります。架空の台帳では、300行のうちセル343か所の書き方をそろえ、まったく同じ行6件を1つにしました。
- 試作のアプリを、そのまま使い始めてよいですか?
- いいえ。この試作はパスワードが仮のもので、バックアップも決めていません。使い始める前に、ここを本番用に作り直します。


