FAXの注文書をAIで受注データにする仕組み構成図・データの形・要確認のルール

FAXの注文書を受注データにする仕組みは、複合機からPDFを受け取り、AIで項目を読み取り、取引先の品名を自社の品番に引き当て、数量や納期を照合し、問題のない注文だけを販売管理へ渡す流れで作ります。人が見るのは「要確認」になった項目だけです。構成図、AIに返させるデータの形、要確認の判定ルール、販売管理へ渡すCSVの例を、私が実際に組むときの形で説明します。(2026年10月時点)
全体の流れと費用はFAX受注の自動化のページにまとめています。
この記事の要点
- FAX注文書をAIで受注データにする流れは、PDFで受け取る→AIが読む→品番に引き当てる→照合する→販売管理へ、の5段階です。
- AIには取引先・納品日・品名・数量・単位を、決めた形のデータ(JSON)で返させます。
- 要確認にするのは、AIの自信が低い項目と、照合のルールに1つでも引っかかった項目です。
- 確認画面では、読み取った値の横に原本のその部分を切り抜いて並べると、人の確認が速くなります。
目次
FAXの注文書は、どんな流れで受注データになりますか?
複合機がFAXをPDFで転送し、AIが項目を読み取り、品番を引き当て、数量や納期を照合し、問題のない注文は販売管理へ、迷う項目だけを人へ回す、という流れです。取引先の送り方は何も変えません。
各段階で使うものと、作るときの要点をまとめます。
| 段階 | 使うもの | 作るときの要点 |
|---|---|---|
| 受け取り | 複合機の転送機能、メールまたは共有フォルダ | 画像を劣化させない設定にする。受信日時とFAX番号を残す |
| ① 読み取り | 画像を読めるAI(大規模言語モデル) | 返してほしい項目の形を先に決め、その形で返させる |
| ② 品番の引き当て | 商品マスタ、取引先ごとの言い換え表 | 決定はAIではなく表とルールで行う |
| ③ 照合 | 過去の注文、休業日カレンダー | 自信の低い項目と、ルールに引っかかった項目を要確認にする |
| 確認 | 確認画面 | 原本の該当部分を切り抜いて、読んだ値の横に並べる |
| 登録 | CSV、スプレッドシート、販売管理の取り込み口 | 同じFAXを二重に登録しない |
AIには、何を読ませて、何を返させますか?
FAXの画像を渡し、取引先・納品日・明細(品名・数量・単位)を、決めた形のデータ(JSON)で返させます。項目ごとに、読み取りにどれだけ自信があるかと、画像のどこに書いてあったかも一緒に返させるのが要点です。
自由な文章で返させると、後の処理が毎回ぶれます。形を先に決めておけば、AIの種類を入れ替えても後ろの仕組みはそのまま使えます。私が使っている形は、おおむね次のとおりです。
{
"fax": { "received_at": "2026-10-14T07:42", "from_number": "045-331-XXXX", "pages": 1 },
"customer": { "name_on_sheet": "居酒屋 たけ蔵", "confidence": 0.97 },
"delivery_date": { "value": "2026-10-15", "text": "10/15(水) 朝便", "confidence": 0.95 },
"lines": [
{ "name_on_sheet": "鶏もも肉 2kg", "qty": 6, "unit": "P", "confidence": 0.99, "box": [52, 300, 640, 346] },
{ "name_on_sheet": "だし醤油 1.8L", "qty": 1, "unit": "本", "confidence": 0.64, "box": [52, 396, 640, 442],
"note": "手書きの1か7か判別できない" }
],
"remarks": "だし醤油は いつもの でお願いします"
}
box は画像の中の位置で、確認画面で原本を切り抜くのに使います。confidence はAIが自分で答える値なので、そのままでは信用しすぎないようにします。次の照合と組み合わせて使います。
「要確認」は、どうやって決めますか?
AIの自信が低い項目に加えて、照合のルールに1つでも引っかかった項目を要確認にします。AIは自信を持って間違えることがあるので、自信の値だけで決めないのが要点です。
私が最初に入れるルールの例です。数字は始めの目安で、御社の過去の注文を見て調整します。
| 見るもの | 要確認にする条件(例) | 防げる失敗 |
|---|---|---|
| AIの自信 | 0.8未満 | かすれた字、崩した字の読み違い |
| 数量 | その取引先・その品物の過去の注文の3倍以上、または3分の1以下 | 1を7と読む、桁を読み違える |
| 単位 | 商品マスタにない単位(例:樽で頼む品を「kg」) | 単位の欄ずれ |
| 品番 | 1位の候補の点が低い、または2位との差が小さい | 似た品名の取り違え |
| 納期 | 受信日より前、休業日、いつもより極端に早い | 月日の読み違い |
| 合計 | 明細の合計欄と、明細を足した値が違う | 行の読み飛ばし |
| 備考 | 「いつもの」「前回と同じ」などの言葉がある | 書かれていない内容の取り違え |
最後の「いつもの」は、AIに任せると前回の注文を勝手に補ってしまうことがあります。書かれていない内容は、人に確かめてもらう方が安全です。品番の引き当ての点数の付け方は、品名の表記ゆれを品番に引き当てる方法で、実際の結果とあわせて説明しています。
確認画面では、何を見せればよいですか?
読み取った値の横に、原本のその部分を切り抜いて並べ、要確認の項目にだけ印を付けます。確認する人が、問題のない項目を見なくて済む形にするのが、確認時間を短くするいちばんの方法です。
画面に出す理由の文(「前回の注文は1本」など)も大事です。理由が見えると、確認する人は原本と過去の注文を探しに行かずに判断できます。
販売管理へは、どう渡しますか?
多くの販売管理には、決まった列のCSVを取り込む機能があります。その列の並びに合わせてCSVを書き出し、取り込みは今までどおり販売管理の画面で行う形が、いちばん手堅い始め方です。
受注日,得意先コード,納品日,品番,数量,単位,FAX受信ID
2026-10-14,T-0128,2026-10-15,M-2031,6,P,20261014-0742-01
2026-10-14,T-0128,2026-10-15,V-1180,12,袋,20261014-0742-01
2026-10-14,T-0128,2026-10-15,S-0412,1,本,20261014-0742-01
最後の列のFAX受信IDは、同じFAXを二重に登録しないための目印です。取引先が同じ注文書を2回送ってきたときにも気づけます。CSVの取り込み口がない場合は、スプレッドシートの受注台帳を作ってそこへ入れるところから始めます。
AIの利用料は、1枚いくらぐらいですか?
このサイトの目安では、1日40枚(月800枚ほど)で月数千円、1枚あたり数円です。使うAIの種類、画像の大きさ、1枚に書かれた行数で変わります。
利用料よりも効いてくるのは、人の確認時間です。このサイトの計算機は、手入力1枚6分が確認1.5分になる前提を初期値にしています。御社の数字での試算は効果計算機でできます。
このサイトで相談するには?
この仕組みを、御社の注文書・取引先・販売管理に合わせて作るのが、打ち込みゼロの仕事です。費用は一式30万円〜、試作は最短当日で、実際に届いたFAXを使います。まずは無料相談からどうぞ。
よくある質問
- AIの読み取り結果は、そのまま販売管理に入れてよいですか?
- おすすめしません。数量・品番・納期を別の情報と照合し、引っかかったものは人が確かめてから入れる形にします。
- AIの利用料は、1枚あたりいくらですか?
- このサイトの目安では、1日40枚(月800枚ほど)で月数千円、1枚あたり数円です。使うAIと画像の大きさで変わります。
- 販売管理にCSVの取り込み口がない場合は?
- スプレッドシートの受注台帳を作ってそこへ入れ、販売管理への転記を減らす方法から始めます。画面の自動操作を使うこともあります。

