中小企業のオフコン移行は、いつまでに何を決めるか決算月ごとの逆算表
報道によると、オフコン向けのクラウドサービス富士通系のASP型オフコンサービスとASP関連ソフトの保守は2031年3月末に終わります。これを使う中小企業は、切り替えを期首にそろえて前の期の申告まで古い仕組みを残すと、3月決算なら2029年3月末、12月決算なら2029年12月末までに移行先を決める計算です。申告(2か月)・並行稼働(締め2回)・作る期間(1期)をさかのぼった計算値です(2026年10月時点)。
全体の流れと費用はAccess・オフコンの引越しのページにまとめています。
要点
- 富士通系のASP型オフコンサービスの提供と、ASP 関連ソフトの保守は2031年3月末で終わると報じられています(2025年3月。発表の原文は未確認)。
- 切り替えを期首にそろえると、3月決算の会社は2030年4月に切り替え、2029年3月末までに移行先を決める計算です。
- 2026年10月から決める期限までは、2月決算で29か月、1月決算で40か月です(Access引越しの計算値)。
- 3月決算は2031年4月の切り替えでは間に合いません。前の期の申告期限が、保守の終わった後の2031年5月末になるためです。
- 期限の日付が自社の契約書と違うときは、その日から同じ計算をし直せます。
目次
オフコンの保守が2031年3月末に終わる会社は、いつまでに移行先を決めればよいですか?
3月決算なら2029年3月末、12月決算なら2029年12月末が期限です。2026年10月から数えると、残りは30か月と39か月です(Access引越しの計算値)。
この日付は、2031年3月末からさかのぼって出しました。さかのぼる順は「前の期の決算と申告」「並行稼働」「作る・データを移す1期」です。オフコン(事務処理用の専用コンピューター)から移す作業の全体は、Access・オフコンの引越しにまとめています。3月・6月・9月・12月の決算月の期限は次のとおりで、4つの中では3月決算の期限が最も早く来ます。
| 決算月 | 移行先を決める期限 | 作り始め | 並行稼働 | 切り替え(期首) | 2026年10月からの残り(か月) |
|---|---|---|---|---|---|
| 3月 | 2029年3月末 | 2029年4月 | 2030年2月と3月 | 2030年4月 | 30 |
| 6月 | 2029年6月末 | 2029年7月 | 2030年5月と6月 | 2030年7月 | 33 |
| 9月 | 2029年9月末 | 2029年10月 | 2030年8月と9月 | 2030年10月 | 36 |
| 12月 | 2029年12月末 | 2030年1月 | 2030年11月と12月 | 2031年1月 | 39 |
来期の予算を期首の前に固める会社は、予算を決める会議の日が本当の期限になります。表の日付から、その会議までの月数をさらに引いてください。
2031年3月末で終わるのは、オフコンの何ですか?
報道によると、終わるのは2つです。報道の対象のサービスである、オフコン向けのクラウドサービスの提供と、ASP(富士通のオフコンの基本ソフト)やパソコン側で動くオフコン関連ソフトの保守です。インプレスのクラウドWatchが2025年3月21日に伝えました。このサービスの新規の販売は、2026年3月末で終わっています。
IT Leaders(2025年3月24日掲載)も、販売を2025年度に、提供を2030年度に終えると伝えています。2030年度の終わりは2031年3月末なので、2つの報道の日付は合います。同じ発表では、移り先の考え方として次の3つが挙がっていました。
- 業務を標準の機能に合わせて、業務パッケージへ移す(Fit to Standard)
- 今のCOBOLのプログラムを変換して、別の環境で動かす
- SaaSを組み合わせて作り直す
2031年3月末という日付は報道によるもので、私は提供元の発表の原文までは確かめられていません。保守契約がいつ終わるかは、自社の契約書か保守会社の案内で確かめてください。日付が違えば、その日から同じ計算をし直します。
なぜ切り替えを期首にそろえ、前の期の申告まで古い仕組みを残すのですか?
1つの期の帳簿を1つの仕組みで締めると、決算の数字を新旧からつなぎ合わせずに済むからです。国税庁の手続の案内(C1-1)では、法人税の確定申告書は事業年度終了の日の翌日から2か月以内に出します。その2か月は、古い仕組みで集計を確かめる場面が残ります。
3月決算の会社が2031年4月1日に切り替えたとします。2030年度の決算と申告は2031年5月末まで続き、保守の終わりを2か月越えます。そのため、3月決算で期首にそろえられる最後の切り替えは2030年4月です。2030年5月末の申告のあと、保守の終わりまで10か月が予備として残ります。
期首にそろえるのは、私が計画を立てるときの決め方で、法令の決まりではありません。期の途中で切り替えれば期限を数か月遅らせられますが、その期の数字を新旧の両方から集める手間が増えます。1月決算は期首が2031年2月1日で、前の期の申告期限が2031年3月31日と重なるため、予備の日数は0日です。
逆算の表は、どんな前提で計算したのですか?
前提は4つで、どれも書き換えて計算し直せます。残りの月数は、2月決算の29か月が最も短く、1月決算の40か月が最も長くなりました(Access引越しの計算値)。
- 切り替えは期首にそろえる
- 前の期の申告期限(期末の翌日から2か月)までは古い仕組みを残し、その期限が2031年3月31日以前になる最も遅い期首を選ぶ
- 並行稼働(新旧の両方に同じ取引を入れ、帳票を突き合わせる期間)は、月末締めを2回またぐ2か月
- 作る・データを移す期間に1期(12か月)を取り、その期の期首の前日までに移行先を決める
4つ目の作る期間は、棚卸しの結果で決まります。ここでは、プログラムや帳票の数が分からない段階でも間に合うように、余裕を見て12か月と置きました。導入例(イメージ)の食品メーカーのように、データの取り出しと照会の画面から始めて締めを2回またいで切り替える進め方なら、作る期間はもっと短くなります。導入例は数え終わった後の小さな範囲を想定したもので、この表は数える前の計画のための前提です。
計算の中心は、次の数行です。
start_month = close_month % 12 + 1 # 期首の月
y = END.year # END = 2031-03-31
while True:
s = dt.date(y, start_month, 1)
if s <= END and filing_deadline(s - dt.timedelta(days=1)) <= END:
break
y -= 1
parallel = add_months(s, -PARALLEL_MONTHS) # 2か月
decide = add_months(s, -BUILD_MONTHS) # 12か月。この前日までに決める
この計算には限界があります。締め日が月末のほかに20日や15日にもある会社では、並行稼働が2か月で終わりません。締め日ごとの日数を並行稼働は何か月必要かで計算しています。作る期間の1期も目安で、プログラムや帳票の数によって短くなったり長くなったりします。
移行先を決める日までに、何を確かめておけばよいですか?
移行先を比べるための材料を、決める日の前にそろえます。オフコンの移行は、データを取り出せるかどうかで選べる方法が変わるため、私は次の順で確かめます。
- プログラム・画面・帳票・ファイルの数を数え、使っていないものに印を付ける
- データを一度試しに取り出し、固定長の並び、パック10進の数字、外字が読めるかを見る
- 得意先に渡す帳票のうち、今と同じ形で出す必要があるものを決める
- パッケージ、COBOLの変換、作り直しの3案で、帳票とデータがどう移るかを比べる
- 作り始める期の予算に入れる
2つ目のデータの取り出しは、仕様書のないオフコンほど時間が読めません。手順はオフコンからデータを取り出すにはに、文字が化ける理由は移行でデータが化けるのはなぜかに書きました。決める日まで30か月あっても、取り出しを試すのは早いほど比べる時間が残ります。
このサイトで相談するには?
オフコンの決算月と帳票のおおよその数をうかがえれば、Access引越しで、どの日までに何を決めるかを一緒に数えます。何をどう頼むか決まっていなくても大丈夫です。
御社のやり方に合わせて、進め方を一緒に考えます。準備は要りません。無料で相談するからどうぞ。返信は最短当日です。
よくある質問
- オフコンの保守が終わったら、その日に止まりますか?
- 止まるとは限りません。ただ、保守の終わった後は故障や不具合を直してもらう先がなくなり、止まったときに戻せない危険が残ります。
- 期の途中で切り替えてもよいですか?
- はい。期限を数か月遅らせられます。ただ、その期の数字を新旧の両方から集めて決算を組む手間が増えます。
- 1月決算なら、いちばん余裕がありますか?
- 決める期限までは40か月と最も長い計算です。ただし前の期の申告期限が2031年3月31日と重なり、予備の日数は0日です。
- 富士通以外のオフコンにも同じ計算を使えますか?
- はい。期限の日付を自社の保守の終わりの日に替えれば、同じ前提で逆算できます。スクリプトの END の1行を書き換えます。
この数字の出し方
この記事の自前の数字は、次の見本・条件・回数で出しました。主宰が確かめ、更新日は2026年10月17日です。スクリプトの名前から、同じ手順を自分のファイルで再現できます。
- Access引越しの計算(2026年10月16日。申告の2か月・並行稼働(締め2回)・作る期間(1期)を、期限からさかのぼって決算月ごとに数えた)。scripts/figs/offcon_2031_deadline.py
出典
- Impress クラウド Watch の報道 2025年3月21日(販売終了2026年3月末・提供終了2031年3月末、ASP等の保守終了2031年3月末)(2026年10月16日確認)
- IT Leaders(インプレス)2025年3月24日掲載(販売を2025年度、提供を2030年度に終了)(2026年10月16日確認)
- 国税庁「C1-1 法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告」(確定申告書は事業年度終了の日の翌日から2か月以内)(2026年10月16日確認)