紙図面のデータ化は何日かかる?枚数とサイズの構成から引ける日数の計算表

紙図面のデータ化にかかる日数は、枚数と大判(A2〜A0)の割合、そしてホチキス外しや仕分けといった前の作業で決まります。A4・A3・大判が3:3:4の3,000枚なら、1人が1日6時間の作業で約5.7日、図番を手で打つと約9.9日です(計算値)。スキャナが動く時間は全体の1割に満たず、日数の大半は人の作業です。(2026年10月時点)
全体の流れと読める項目は読み取りの進め方のページにまとめています。
要点
- 紙図面のデータ化の日数は「枚数×1枚の秒数÷1日の作業時間」で出せ、1枚の秒数は大判の割合と前処理で変わります。
- A4・A3・大判が3:3:4の3,000枚なら、1人1日6時間で約5.7日、図番を手で打つと約9.9日です(計算値)。
- スキャナの公称値(A4は毎分40枚、大判は毎時856枚)から見ると、機械が動く時間は全体の8%ほどです。
- 手作業の秒数は仮定なので、自社の図面を10枚ずつ計って置き換えると、社内でやるか外部に頼むかを決められます。
目次
紙図面のデータ化は、何日かかりますか?
A4・A3・大判(A2〜A0)が3:3:4で混ざった3,000枚なら、1人が1日6時間の作業で約5.7日です。AIが図番と版数を読み、人が確かめる場合の計算値で、図番を人が打つと約9.9日になります。
日数は「枚数×1枚あたりの秒数÷1日の作業時間」で出せます。1枚あたりの秒数を、仕分け・前処理・スキャン・確認の4つに分けて足しました。どの構成でも、枚数が10倍になれば日数もほぼ10倍です。図面よみで計算した9通りを下の表にまとめました。
| サイズの構成 | 枚数 | スキャナが動く時間 | AIで読み人が確認 | 人が図番を打つ |
|---|---|---|---|---|
| 小物中心(6:3:1) | 1,000枚 | 0.7時間 | 1.6日 | 3.0日 |
| 小物中心(6:3:1) | 3,000枚 | 2.2時間 | 4.8日 | 9.0日 |
| 小物中心(6:3:1) | 10,000枚 | 7.2時間 | 16.0日 | 29.9日 |
| 半々(3:3:4) | 1,000枚 | 0.9時間 | 1.9日 | 3.3日 |
| 半々(3:3:4) | 3,000枚 | 2.8時間 | 5.7日 | 9.9日 |
| 半々(3:3:4) | 10,000枚 | 9.4時間 | 19.2日 | 33.1日 |
| 大判中心(1:2:7) | 1,000枚 | 1.1時間 | 2.2日 | 3.6日 |
| 大判中心(1:2:7) | 3,000枚 | 3.3時間 | 6.7日 | 10.8日 |
| 大判中心(1:2:7) | 10,000枚 | 10.9時間 | 22.2日 | 36.1日 |
構成の比はA4:A3:大判で、小物中心は精密部品や治具、大判中心は製缶や装置の図面を思い浮かべて置いた例です。自社の比に合わないときは、後の節の式で計算し直してください。
日数を決めているのは、スキャナの速さですか?
いいえ。スキャナが動く時間は、どの構成でも全体の8%ほどです。日数の大半は、紙をそろえる前処理と、読み取った結果の確認にかかります。
スキャンの秒数は、メーカーの公称値から出しました。A4はPFUのScanSnap iX1600で、読み取り速度は毎分40枚(A4縦)なので1枚1.5秒です。A3以上は大判スキャナのContex IQ Quattro Xの公称値を使いました。モノクロ200dpiで毎時856枚とあり、1枚約4.2秒です。
この856枚は、A0よりやや大きいArch E判(914×1219mm)を、給紙と排紙の時間も含めて1時間通した値です。A3〜A2もこの値で計算したので、日数は実際より多めに出ます。
前処理の秒数は仮定です。A4・A3はホチキスやクリップを外して向きをそろえる10秒と置きました。大判は、折りたたみを開いて伸ばし、破れを確かめる30秒です。大判の割合が1割から7割に増えると、1枚あたりの前処理は12秒から24秒に延びます。
スキャンから台帳まで、どんな順番で進めますか?
仕分け、前処理、スキャン、読み取り、確認、台帳への登録の6つの順に進めます。人が手を動かすのは、このうち仕分け・前処理・確認の3つです。
- 仕分け:廃版や重複を抜き、図番の順に並べます(1枚5秒と仮定)。
- 前処理:ホチキスを外し、大判の折りを伸ばします。
- スキャン:A4は自動給紙のスキャナ、A3以上は大判スキャナに通します。
- 読み取り:AIが表題欄から図番・版数・品名を読みます。人はそばにいなくても進みます。
- 確認:AIが自信のない項目だけを、人が画面で直します(1枚15秒と仮定)。
- 登録:図番と版数で検索できる台帳に入れます。
仕分けを飛ばすと、同じ図番の旧版まで台帳に入り、どれが最新か分からない状態が紙からデータに移るだけです。旧版の扱いは図面の最新版が分からない問題、表題欄のどこを読むかは表題欄の項目の選び方で書いています。
自分の会社の枚数で日数を出すには、何を数えればよいですか?
数えるのは、サイズごとの枚数と、仕分け・前処理・確認の3つの秒数です。棚の図面をA4・A3・大判に分けて数えます。そのうえで、サイズごとに10枚ずつ作業して時間を計ると、この計算の仮定を自社の値に置き換えられます。
枚数は、全部を数えなくてもかまいません。棚1段の枚数を数えて段の数を掛ければ、目安になります。秒数は、いちばん傷んだ図面とふつうの図面を混ぜて計ると、実際に近い値が出ます。
計算の要点は次の数行です。
SCAN = {'A4': 60 / 40, 'A3': 3600 / 856, 'BIG': 3600 / 856} # 秒/枚(公称値から)
PREP = {'A4': 10, 'A3': 10, 'BIG': 30} # 秒/枚(仮定)
SORT, CHECK, HOURS = 5, 15, 6 # 仮定
def days(n, mix): # mix は {'A4': .3, 'A3': .3, 'BIG': .4} のような構成比
sec = sum(mix[k] * (SCAN[k] + PREP[k] + SORT) for k in mix) + CHECK
return n * sec / 3600 / HOURS
この計算には限りがあります。青焼きや破れた図面は前処理が延び、かすれた図面は確認が延びます。紙詰まりやスキャンのやり直しも入れていません。1日6時間は、ほかの仕事と掛け持ちしない前提の値です。
社内でやるか、外部に頼むかは、どう決めますか?
社内の人が1日に割ける時間で日数を割り、待てる期間に収まるかで決めます。たとえば半々の構成の10,000枚は1人で約19.2日なので、1日2時間しか割けなければ約58日かかります。
外部にはスキャン代行があります。図面管理システムを売るS社(実在の会社の名前を伏せています)は、2025年6月19日にスキャン代行を始めると発表しました。発表には、1日最大10万枚に対応すると書かれています。料金は会社ごとに違うので、見積もりで比べてください。
| 決める点 | 社内が合う場合 | 外部が合う場合 |
|---|---|---|
| 枚数 | 数千枚まで | 1万枚を超える |
| 大判の割合 | 少ない | 多く、大判スキャナがない |
| 客先の図面 | 社外に出せない | 出してよいと確認できた |
| 急ぎ方 | 少しずつ進めてよい | 期限がある |
外部に頼んでも、どの版を残すかの仕分けと、読み取った図番・版数の確認は社内に残ります。この計算では、その2つで1枚あたり20秒です。私が仕組みを作るときは、仕分けの基準を先に決め、10枚で試してから残りに進めます。
このサイトで相談するには?
棚の紙図面をどう台帳にするかは、図面よみの無料で相談するからどうぞ。何をどう頼むか決まっていなくても大丈夫です。準備は要りません。図面をお見せいただかなくても、枚数とサイズをうかがえば、御社のやり方に合わせて進め方を一緒に考えます。
よくある質問
- スキャナを速い機種に替えれば、日数は大きく縮みますか?
- いいえ。この計算では機械が動く時間は全体の8%ほどです。縮めるなら仕分けと前処理、確認の秒数を減らすほうが効きます。
- 解像度は何dpiで読めばよいですか?
- この計算は、大判の公称値がそろっている200dpiのモノクロを前提にしています。細い寸法線や小さな注記が多い図面は、10枚で試して文字が読めるかを確かめてから決めます。
- スキャンを外部に頼めば、社内の作業はなくなりますか?
- いいえ。どの版を残すかの仕分けと、読み取った図番・版数の確認は社内に残ります。この計算では、その2つで1枚あたり20秒です。
- 読み取りのAIは、人の作業時間に入っていますか?
- 入れていません。読み取りは人がそばにいなくても進むためです。人の時間に入るのは、AIの結果を画面で確かめる1枚15秒(仮定)だけです。
出典
- PFU「ScanSnapの仕様」ScanSnap iX1600 読み取り速度(A4縦)40枚/分(自動・ノーマル・ファイン・スーパーファイン)、エクセレント10枚/分、原稿搭載枚数 最大50枚(2026年10月16日確認)
- Contex「IQ Quattro X Datasheet」V1.7(2024年8月)。モノクロ200dpiで毎秒17.8インチ、Arch E縦・モノクロ・200dpiの60分連続読み取りで毎時856枚(給紙と排紙の時間を含む)(2026年10月16日確認)
- S社(図面管理システムの提供会社)のプレスリリース「図面スキャン代行サービス」開始(2025年6月19日)。1日最大10万枚と記載(2026年10月16日確認)
- 図面よみの計算(2026年10月16日)。1,000・3,000・10,000枚×3つのサイズ構成の日数。スキャンはメーカー公称値、仕分け・前処理・確認の秒数と1日6時間は仮定(2026年10月16日確認)


