FAX受注の手入力は、1年でいくらかかっている?枚数と1枚の時間で引ける試算表

1日40枚のFAX注文を1枚6分で打ち込んでいる会社では、入力だけで年960時間、時給1,800円なら年約173万円がかかっている計算です。1日10枚・1枚3分の会社でも年120時間になります。枚数と1枚の時間から引ける試算表と、自動化した場合に毎月どれだけ残るかを、計算式と一緒に載せます。(2026年10月時点)
全体の流れと費用はFAX受注の自動化のページにまとめています。
この記事の要点
- FAX受注の手入力のコストは「1日の枚数×1枚の入力時間×月20日×12か月×時給」で計算できます。
- 1日40枚を1枚6分で入力すると年960時間で、時給1,800円なら人件費は約173万円です。
- 入力を確認だけ(1枚1.5分)にできれば、一式30万円の費用は1日40枚で約3か月、1日5枚で約23か月で回収できる計算です。
- 浮いた時間がそのまま現金で戻るわけではないため、何に使うかまで決めておくと効果が見えます。
目次
FAX受注の手入力には、1年でどれくらいの時間がかかっていますか?
「1日の枚数×1枚の入力時間×月20日×12か月」で計算できます。1日40枚を1枚6分で打ち込むと、年960時間です。これは、1日8時間働く人の約半年分にあたります。
1枚の入力時間には、注文書を読んで販売管理の画面を開き、得意先と品番を探して数量を打ち込み、確かめて登録するまでが入ります。手書きの読みにくい字を取引先に電話で確かめる時間や、途中で電話に出て戻る時間も、実際には含まれます。
人件費に直すと、いくらになりますか?
時給を2通りにして計算しました。1つは、令和7年度の地域別最低賃金の全国加重平均1,121円に、会社が負担する社会保険料などの目安として15%を足した1,289円。もう1つは、このサイトの効果計算機の既定値の1,800円です。実際の人件費は、多くの会社でこの間かそれ以上になります。
| 1日の枚数 | 1枚の時間 | 月の時間 | 年の時間 | 年の人件費(1,289円) | 年の人件費(1,800円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 10枚 | 3分 | 10時間 | 120時間 | 約15万円 | 約22万円 |
| 10枚 | 6分 | 20時間 | 240時間 | 約31万円 | 約43万円 |
| 20枚 | 3分 | 20時間 | 240時間 | 約31万円 | 約43万円 |
| 20枚 | 6分 | 40時間 | 480時間 | 約62万円 | 約86万円 |
| 20枚 | 10分 | 67時間 | 800時間 | 約103万円 | 約144万円 |
| 40枚 | 3分 | 40時間 | 480時間 | 約62万円 | 約86万円 |
| 40枚 | 6分 | 80時間 | 960時間 | 約124万円 | 約173万円 |
| 40枚 | 10分 | 133時間 | 1,600時間 | 約206万円 | 約288万円 |
| 80枚 | 6分 | 160時間 | 1,920時間 | 約247万円 | 約346万円 |
| 80枚 | 10分 | 267時間 | 3,200時間 | 約412万円 | 約576万円 |
最低賃金は2025年度に過去最大の66円引き上げになり、全国加重平均は1,121円になりました。全都道府県で1,000円を超えています。時給が上がるほど、同じ枚数の入力にかかるお金は増えます。
表の15%は、健康保険・厚生年金・雇用保険などの会社負担をざっくり見込んだ値で、会社の規模や加入の状況で変わります。正確に見たい場合は、給与の明細から1時間あたりの総額を出して、表の時間に掛けてください。
自動にすると、毎月どれだけ残りますか?
1枚6分の入力が、AIの読み取りを人が確かめる1.5分になるとすると、1日40枚の会社で月60時間、人件費にして月10万8千円が浮きます。AIの利用料(1枚5円で計算)の月4千円を引いても、月10万4千円が残り、一式30万円なら約3か月で元が取れる計算です。
| 1日の枚数 | 減る時間(月) | 浮く人件費(月) | AIの利用料(月) | 差し引き(月) | 30万円の回収 |
|---|---|---|---|---|---|
| 5枚 | 7.5時間 | 13,500円 | 500円 | 13,000円 | 約23か月 |
| 10枚 | 15時間 | 27,000円 | 1,000円 | 26,000円 | 約12か月 |
| 20枚 | 30時間 | 54,000円 | 2,000円 | 52,000円 | 約6か月 |
| 40枚 | 60時間 | 108,000円 | 4,000円 | 104,000円 | 約3か月 |
| 80枚 | 120時間 | 216,000円 | 8,000円 | 208,000円 | 約1.4か月 |
計算の前提は、時給1,800円、月20日、入力6分が確認1.5分になる、AIの利用料は1枚5円です。AIの利用料は、このサイトの目安「1枚あたり数円」の高めの値にしました。初期費用30万円は、このサイトのFAX受注の自動化の下限で、注文書の種類や販売管理のつなぎ方で上下します。
この試算を見るときに、気をつけることは?
浮いた時間が、そのままお金として戻るわけではない点です。受注担当の方が同じ人数で働くなら、浮いた時間を何に使うかを決めて、初めて効果になります。
私がご相談を受けたときに効果として数えるのは、次の3つです。人件費の計算より、こちらのほうが社内で話が通りやすいことが多いです。
- 締め時刻に間に合うか:朝のFAXの山が早く片付けば、出荷の締めに間に合う注文が増えます。食品卸の締め時刻の話にくわしく書いています。
- 入力の間違いが減るか:読み違いによる再出荷は、1件で送料と手間とお詫びがかかります。
- 1人に頼らなくなるか:品番の引き当てがベテラン1人の頭の中にあると、休みの日に受注が止まります。
逆に、1日5枚以下で入力も1枚3分ほどなら、自動にするより、FAXをPDFで受け取る設定だけにして紙の扱いを減らすほうが、費用に見合うことがあります。どちらが合うかは、枚数と1枚の時間を数えれば決められます。
自分の会社の数字で計算するには?
1週間だけ、FAXの枚数と入力にかかった時間を記録して、この記事の式か効果計算機に入れてください。計算機では、時給や確認の時間、入力の間違いの件数も変えられます。
数え方の手順はFAX受注の自動化の始め方で説明しています。数字が出たら、無料相談で、どこまで自動にすると元が取れるかを一緒に見られます。
よくある質問
- 1枚あたりの入力時間は、どうやって測ればよいですか?
- 1週間だけ、受注担当の方に「打ち始めた時刻と終えた時刻」と枚数を記録してもらい、合計の時間を枚数で割ります。電話の割り込みも含めた実際の時間が出ます。
- 人件費が浮いても、人を減らさないなら意味がないのでは?
- 浮いた時間を出荷の前倒しや問い合わせの対応に使えるかで決まります。人を減らす話ではなく、締め時刻に間に合うか、残業が減るかで見るのがおすすめです。
- 1日5枚以下でも、自動化したほうがよいですか?
- この試算では元を取るまでに2年ほどかかります。枚数が少ないなら、まずFAXをPDFで受ける設定だけにして、様子を見るのも手です。
出典
- 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」(令和7年度、全国加重平均1,121円)(2026年10月14日確認)
- 労働新聞社「最賃1121円に 過去最大66円引上げへ」(2025年9月)(2026年10月14日確認)

