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FAX受注の手入力はどれだけ残っている?公開調査4本を、母数と聞き方から読み直す

FAX受注の手入力はどれだけ残っている?(記事の表紙)

製造業の受注担当者329人の調査を人数に直すと、FAXで書類を受け取る人は約235人、その内容を手で入力している人は約142人、入力を自動にしたい人は約125人でした。回答者全体の約4割にあたります。ただし、FAXの割合を示す調査は、母数も聞き方も時期もばらばらです。4つの調査を並べて、何が言えて何が言えないのかを整理します。(2026年10月時点)

全体の流れと費用はFAX受注の自動化のページにまとめています。

この記事の要点

  • 製造業の受注担当者329人の調査で、FAXの内容を手で入力している人は約142人、回答者全体の約43%でした。
  • 「60.4%」は紙のやり取りがある人だけを母数にした割合で、全体に直すと約43%になります。
  • FAXをやめたい人に、やめられない理由を聞くと、1位は「取引先がFAXを使っているから」(63.0%)でした。
  • 調査の数字は、母数・時期・調査した会社の立場の3つを確かめてから使います。
目次
  1. FAXの注文を手で入力している人は、どれくらいいますか?
  2. 調査によってFAXの割合が違うのは、なぜですか?
  3. 「FAXをやめたいのに、やめられない」のは、なぜですか?
  4. 調査の数字を使うとき、何に気をつければよいですか?
  5. 自社の数字は、どうやって確かめればよいですか?
  6. このサイトで相談するには?
  7. よくある質問

FAXの注文を手で入力している人は、どれくらいいますか?

製造業の受注担当者329人の調査では、FAXの内容を手で入力している人は約142人で、回答者全体の約43%でした。そのうち88.1%(約125人)が、入力を自動にしたいと答えています。

元の調査は、AI-OCRの会社(AI inside)が2024年6月にインターネットで行ったものです。発表では割合だけが示され、設問ごとに母数が少しずつ違います。そこで、それぞれの割合に母数をかけて、人数に直しました。

329人→紙の書類あり321人→FAXで受け取る235人→手入力142人→自動にしたい125人を横棒で示した図
図1 329人を人数に直した内訳。人数は「割合×その設問の母数」の計算値で、四捨五入しています(このサイトの計算)。
設問 母数 割合 人数(計算) 329人に対する割合(計算)
紙の書類のやり取りがある 329人 「全くない」2.4%を除く 321人 97.6%
FAXで書類を受け取る業務がある 321人 73.3% 約235人 約71%
月に1,000枚以上をFAXで受け取る 235人 43.0% 約101人 約31%
FAXの内容を手で入力している 235人 60.4% 約142人 約43%
入力を自動にしたい 142人 88.1% 約125人 約38%

人数に直すと、発表の見出しの「88.1%」が、回答者全体の約38%のことだと分かります。割合の大きな数字は、母数が絞られた後の値であることが多いので、記事や提案書で使うときは母数も一緒に書くようにしています。

もう1つ目を引くのは、FAXで受け取る人の約43%(約101人)が、月に1,000枚以上を受け取っている点です。1日に直すと、稼働20日で50枚以上になります。このサイトの試算では、1日10枚前後から自動化の元が取れるので、この人たちの多くは十分に対象になります。

調査によってFAXの割合が違うのは、なぜですか?

数えている相手と、聞き方が違うからです。「会社の主な受注手段」を聞くか、「担当者の業務にFAXがあるか」を聞くかで、同じ年でも数字は大きく変わります。

調査 時期 対象と母数 何を数えたか 数字
AI inside 2024年6月 製造業の受注担当者 329人 FAXで書類を受け取る業務がある人 73.3%(母数321人)
CIAJ(情報通信ネットワーク産業協会) 2024年1月 20〜69歳の有職者 約4,000人 業務でFAXを使う人 40.1%
アイル 2020年11月の記事 中堅・中小企業の受注担当 712社 主な受注手段がFAXの会社 37.2%
タノム・インフォマート 2026年3月発表 卸売業 142社 FAX・電話の受注に限界を感じる会社 81%

製造業の受注担当者に限ると73.3%、働く人全体では40.1%、「主な手段」に絞ると37.2%です。どれも正しい数字ですが、同じ「FAXの割合」として並べると誤解を生みます。

アイルの調査では、FAXのほかに電話16.7%、対面営業15.6%、メール15.3%が主な受注手段で、これらのアナログな手段の合計は85.8%でした。FAXだけでなく、電話やメールも含めて「人が写している受注」がまだ大半だと読むのが自然です。

「FAXをやめたいのに、やめられない」のは、なぜですか?

いちばん多い理由は「取引先がFAXを使っているから」で、FAXをやめたい人の63.0%(約131人)が挙げています。自社がやめたくても、取引先の都合で続けざるを得ないのが実情です。

FAXをやめられない理由。取引先がFAXを使っている63.0%、代わりの道具がない32.2%、手書きが多くFAXの方が楽30.3%
図2 FAXをやめられない理由(複数回答)。母数は、FAXをやめたいと答えた208人です。

この結果から言えるのは、取引先に「FAXをやめてください」とお願いする方法には限界がある、ということです。受け取る側だけで完結する方法、つまり届いたFAXをそのまま読み取って入力をなくす方法が、多くの会社にとって現実的な選択肢になります。取引先へのお願いの仕方は取引先がFAXをやめてくれないときの対処にまとめています。

調査の数字を使うとき、何に気をつければよいですか?

母数、時期、調査した会社の立場の3つを確かめます。今回の4つの調査のうち3つは、FAXの読み取りや受発注の製品を提供する会社が発表したものです。

  • 母数:「88.1%」は142人のうちの割合です。全体に対する割合と取り違えないようにします
  • 時期:アイルの数字は2020年の記事です。今はもっと下がっている可能性があります
  • 立場:製品を売る会社の調査は、課題が大きく見える聞き方になりがちです。数字が間違っているわけではありませんが、結論は自分で確かめます
  • 集め方:インターネット調査は、ネットに慣れた人の回答に偏ります

このサイトも、FAX受注の自動化を仕事にしています。そのため、調査の数字は出典の書き方どおりに載せ、計算した値には「計算」と書くようにしています。

自社の数字は、どうやって確かめればよいですか?

2週間、届いたFAXの枚数と、1枚の入力にかかった時間を数えます。調査の数字より、自社の2週間の記録のほうが、自動化するかどうかの判断にはずっと役に立ちます。

数えるのは次の4つで十分です。

  1. 1日に届いた枚数
  2. 取引先ごとの枚数(上位の数社で何割になるか)
  3. 1枚の入力にかかった時間(数枚を計る)
  4. 入力の間違いと、その直しにかかった手間

数え方の詳しい手順はFAX受注の自動化の始め方で説明しています。

このサイトで相談するには?

数えた枚数と時間をお持ちいただければ、無料相談で、自動化して元が取れるかを一緒に計算します。費用は一式30万円〜、毎月はAIの利用料の実費だけです。

よくある質問

FAXで受注している会社は、何%くらいですか?
調査によって違います。主な受注手段がFAXの会社は37.2%(2020年の記事)、業務でFAXを使う有職者は40.1%(2024年の調査)などです。
どの調査の数字を使えばよいですか?
自社と同じ業種・同じ立場の人に聞いた調査を選び、母数と時期を一緒に書きます。いちばん確かなのは、自社で2週間数えた枚数です。
調査をした会社の利害は、気にするべきですか?
気にするべきです。FAXの自動化や受発注の製品を売る会社の調査が多いので、聞き方と母数を確かめてから使います。

出典

  1. AI inside株式会社「製造業の受注業務における紙書類の利用状況に関する実態調査」(PR TIMES、2024年)(2026年10月14日確認)
  2. 株式会社アイル 受注業務の調査(ECのミカタの記事、2020年11月)(2026年10月14日確認)
  3. タノム・インフォマート 卸売業の受発注の調査(LOGISTICS TODAYの記事、2026年3月)(2026年10月14日確認)
  4. CIAJ「ファクシミリに関する調査」(IT Leadersの記事、2025年5月)(2026年10月14日確認)