取引先がFAXをやめてくれないときの対処法自社で完結させる方法と、上位から順にお願いする方法

取引先がFAXをやめてくれないときは、取引先を変えようとする前に、自社の中だけでFAXを自動で読み取る仕組みを作るのが近道です。そのうえで、注文の多い取引先から1社ずつWeb受発注をお願いする二段構えにすれば、断られても仕事は止まりません。それぞれの進め方と、そのまま使える案内文の例を紹介します。(2026年10月時点)
全体の流れと費用はFAX受注の自動化のページにまとめています。
この記事の要点
- 取引先がFAXをやめてくれないときは、まず自社の中だけでFAXを自動で読み取る仕組みを作ります。
- そのうえで、注文の枚数が多い上位の取引先から1社ずつWeb受発注をお願いする二段構えにします。
- お願いの文書には相手の利点を先に書き、FAXでの注文もこれまで通り受けることをはっきり書きます。
- 取引先に何も頼まない第1段だけでも、打ち込みの時間は確認だけの時間まで減らせます。
目次
取引先がFAXをやめてくれないとき、どうすればよいですか?
取引先を変えようとする前に、自社の中だけでFAXを自動で読み取る仕組みを作り、そのうえで注文の多い取引先から順にWeb受発注をお願いする、二段構えにします。これなら、お願いを断られても入力の手間は減らせます。
FAXでの受注は今も珍しくありません。中堅・中小企業の85.8%がアナログな手段で受注しており、その手段はFAXが37.2%、電話が16.7%という調査があります(アイル調べ)。取引先にとってFAXは慣れた方法で、社内の決まりで変えにくい場合もあります。「やめてくれない」のは、相手に悪気があるからとは限りません。
| 第1段:自社だけで完結 | 第2段:Web受発注をお願い | |
|---|---|---|
| 取引先へのお願い | なし | あり(上位の取引先から) |
| 使うもの | 複合機の転送機能かクラウドFAX、AI-OCR | Web受発注のシステム |
| 対象 | FAXで届くすべての注文 | 注文の多い数社 |
| 断られたとき | 影響なし | FAXのまま第1段で処理 |
自社だけで完結させるには、どうしますか?
受信したFAXをPDFにして、AI-OCR(紙の文字を読み取るAI)に品名・数量・納期を読ませ、人は確認だけをする形にします。取引先は今まで通りFAXを送るだけです。
FAXをPDFにする方法は2つあります。1つは、今の複合機の転送機能で、受信したFAXをメールや共有フォルダに送る方法です。もう1つは、クラウドFAX(FAXをインターネット経由で受け取るサービス)に切り替える方法です。
料金の例として、クラウドFAXの03FAXは月額1,078円(税込)〜、AI-OCRのinvoxは月額3万円〜、という記事の記載があります(いずれも各社の料金を引用した記事の記載で、公式の料金ページは各自でご確認ください)。ここに挙げたのは価格の幅を知るための例で、製品のおすすめや順位ではありません。
読み取ったあとは、取引先の品名を自社の品番に引き当て、自信のない項目だけ「要確認」にして人が見ます。品番の引き当ては「受注の品番引き当てを属人化させない対応表の作り方」で説明しています。
Web受発注は、どの取引先からお願いすればよいですか?
注文の枚数が多い上位の取引先から、1社ずつお願いします。上位の数社が移ってくれるだけで、FAXの枚数は大きく減ります。
受ける側の負担感は広く共有されていて、卸売業の81%がFAX・電話の受注に限界を感じているという調査もあります(タノム・インフォマート、2026年3月)。とはいえ、お願いする順番を決めないと、話が進みません。
- 2週間、取引先別にFAXの枚数を数える
- 枚数の多い順に並べ、上位の数社を選ぶ
- その中から、担当者と話しやすい取引先を1社選ぶ
- 相手の利点(送り間違いの確認が減る、在庫や納期がその場で分かる)を先に伝えてお願いする
- 1社目で出た質問や手間を直してから、次の取引先に広げる
Web受発注の料金は、たとえばBカートは月3,000円+1回80円という記事の記載があります(料金の対象は原典でご確認ください)。
お願いするときの案内文は、どう書けばよいですか?
相手にとっての利点を最初に書き、FAXでの注文もこれまで通り受け付けることをはっきり書きます。「FAXをやめてください」と前に出すと、相手は負担を感じやすいからです。
案内文の例です(社名は架空です)。
いつもご注文いただき、ありがとうございます。金物卸のC社(架空)でございます。 このたび、Webからもご注文いただけるようにいたしました。FAXの送信や、届いたかどうかのお電話が不要になり、在庫と納期もその場でご確認いただけます。 ご登録は数分で終わり、操作は担当の○○がお電話でもご案内いたします。 もちろん、FAXでのご注文もこれまで通り承ります。ご都合のよいほうをお使いください。
最後の一文があるかどうかで、受け取られ方が変わります。
断られたときは、どうすればよいですか?
無理に説得せず、FAXのまま受け付けて第1段の仕組みで処理します。自社の中で自動化ができていれば、断られても困ることはありません。
時間をおいて、相手の担当者が替わったときや注文の量が増えたときに、もう一度声をかける程度で十分です。お願いの記録(いつ、誰に、どんな反応だったか)を残しておくと、次に声をかける時期を決めやすくなります。断られた理由が「パソコンを使う人がいない」「先方の本部の決まり」など、相手の側で変えられないものなら、無理に追わずFAXのままで受けるほうが、関係を保てます。
このサイトで相談するには?
取引先には何もお願いせずに進める第1段の仕組みづくりは、無料相談からご相談いただけます。費用は一式30万円〜で、毎月かかるのはAIの利用料の実費だけです。
よくある質問
- 取引先にFAXをやめるよう強く求めてもよいですか?
- おすすめしません。相手の手間が増えるだけだと受け取られやすいので、FAXも受け付け続けると伝えたうえで、利点を示してお願いします。
- 全部の取引先に一斉に案内したほうが早いですか?
- 多くの場合は逆です。反応のないまま終わりやすいので、注文の多い取引先から1社ずつお願いするほうが進みます。
出典
- 株式会社アイル 受注業務の調査(ECのミカタの記事、2020年11月)(2026年10月14日確認)
- タノム・インフォマート 卸売業の受発注の調査(LOGISTICS TODAYの記事、2026年3月)(2026年10月14日確認)
- マネックス MCB FinTechカタログの記事(クラウドFAXの料金の記載)(2026年10月12日確認)
- CO-NECT 受発注ラボの記事(AI-OCRの料金の記載)(2026年10月12日確認)
