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見積の追客タイミングはいつ?回答までの日数を架空の台帳300件で出した

見積の追客タイミングはいつ?(記事の表紙)

見積の追客(見積を出した後に、返事のない相手へこちらから連絡すること)のタイミングは、自社の見積台帳から「提出から何日目までに何割の答えが出たか」を出して決めます。見積帳場が架空の台帳300件を、まだ返事のない見積を打ち切りとして扱うKaplan-Meier法で計算すると、7日目までに41%、14日目までに61%が答え、半数を超えたのは11日目でした。1回目の連絡は11日目ごろが目安になります。(2026年10月時点)

全体の流れと費用は製造業の見積の自動化のページにまとめています。

要点

  • 見積の追客の日は、自社の見積台帳から、提出後の日数ごとに何割の見積に答えが出たかを出して決めます。
  • 架空の見積台帳300件をKaplan-Meier法で計算すると、14日目までに61%、30日目までに78%が答えました(見積帳場の計算)。
  • 返事のあった見積だけで数えると14日目は77%になり、本当の値の61%より16ポイント速く見えました。
  • 追客の日で受注率が上がるとは言えません。300件の台帳でも、14日目の割合には55〜67%の幅があります。
目次
  1. 見積の追客のタイミングは、提出から何日目ですか?
  2. 返事のない見積は、どう数えればよいですか?
  3. 架空の見積台帳300件では、何日目までに何割が答えましたか?
  4. 見積の金額で、返事までの日数は変わりますか?
  5. 追客の日を出すために、見積台帳に何を残せばよいですか?
  6. 見積を出した後の連絡の時期を決めるには?
  7. よくある質問

見積の追客のタイミングは、提出から何日目ですか?

追客の日は、自社の見積台帳から「提出から何日目までに、何割の見積に答えが出たか」を出して決めます。答えとは、受注か失注の連絡です。半数が答えた日を過ぎても返事のない見積は、遅れ始めた見積だと分かるので、その日を1回目の連絡の目安にします。

見積帳場が架空の見積台帳300件で計算すると、目安は1回目が11日目、2回目が20日目、区切りが35日目でした。日ごとの割合と決め方は次のとおりです。

提出からの日数 答えが出た割合(累積) 追客の決め方
7日目 41% まだ待つ
11日目 53% 1回目の連絡(半数を超えた日)
14日目 61% 返事のない見積は残り4割
20日目 71% 2回目の連絡(7割を超えた日)
35日目 81% 区切り(この後はほとんど増えない)

見積後のフォローの解説記事には「提示から3日後」「1週間後」といった例があります。2026年10月に上位の記事を読んだかぎり、日数の根拠のデータはありませんでした。

この計算で分かるのは、今のやり方のままで返事がどれだけ速く来るかです。追客の日を変えたときに受注率が上がるかどうかは、この数字からは分かりません。

返事のない見積は、どう数えればよいですか?

台帳を締めた日にまだ返事のない見積は、「提出から今日までは返事がなかった」とだけ分かる見積として数に入れます。統計ではこれを打ち切りと呼びます。打ち切りのあるデータから累積の割合を出すのがKaplan-Meier法で、1958年の論文で示されました。

よくある数え方は2つあり、どちらも割合がずれます。返事のあった見積だけで数えると、遅い返事と返事の来ない見積が抜けて、速く見えます。未回答を全部「返事なし」として全体の件数で割ると、先週出したばかりの見積も入るので、遅く見えます。

架空の台帳300件で、14日目までに答えが出た割合を3つの数え方で出しました。架空のデータなので、本当の値も分かります。

提出から14日目までに回答があった割合を、数え方ごとに比べた横棒グラフ。返事のあった見積だけで数える77%、未回答を「返事なし」で300件で割る56%、未回答を打ち切りとして扱う(KM)61%、本当の値(架空データの作り方から)61%(架空の見積台帳300件)0%25%50%75%100%返事のあった見積だけで数える77%未回答を「返事なし」で300件で割る56%未回答を打ち切りとして扱う(KM)61%本当の値(架空データの作り方から)61%架空の見積台帳300件。本当の値は同じ作り方で200万件を引いて数えた値。出典:見積帳場の計算
図1 提出から14日目までに答えが出た割合の、数え方による違い(計算値)。未回答を打ち切りとして扱うと、本当の値とそろいました。

返事のあった見積だけで数えると77%で、本当の値の61%より16ポイント高く出ました。300件で割ると56%で、5ポイント低く出ています。Kaplan-Meier法は61%で、本当の値と同じでした。30日目で比べると、2つの数え方は95%と70%になり、ずれが広がります(本当の値は76%)。

架空の見積台帳300件では、何日目までに何割が答えましたか?

架空の台帳300件で答えが出た割合は、7日目41%、14日目61%、30日目78%でした。33日目で80%に届き、その後は伸びが止まって、119日目まで83%のままでした。

台帳は直近4か月(120日)に出した見積という設定で、乱数の種を固定して作りました。返事までの日数の中央値は50万円未満で6日、50万円以上で14日とし、返事の来ない見積を18%の確率で混ぜています。

締めた日の台帳は、回答あり219件(受注85件、失注134件)と未回答81件です。未回答のうち29件は、提出から日が浅いだけの見積でした。

架空の見積台帳300件で、提出から回答までの日数の累積の割合を出した階段グラフ。7日目41%、14日目61%、30日目78%で、119日目まで83%で止まる(Kaplan-Meier法の計算)
図2 提出から回答までの日数の累積の割合(Kaplan-Meier法の計算値)。見積帳場の計算で、台帳はすべて架空です。

計算はscripts/figs/follow_up_timing.pyで、numpyで動きます。Kaplan-Meier法の中心は次の数行です。

for d in np.unique(t[e]):                 # 答えが出た日ごとに
    n_risk = np.sum(t >= d)               # その日まで返事を待っていた件数
    n_ev = np.sum((t == d) & e)           # その日に答えた件数
    s *= 1 - n_ev / n_risk                # まだ答えていない割合
    out.append((d, 1 - s))                # 累積の答えの割合

300件あっても、14日目の61%には55〜67%の幅があります(95%の範囲の計算値)。またKaplan-Meier法は、締めた日で打ち切った見積も、その先はほかの見積と同じ見込みで答えると置いて計算します。締めた日の近くに急ぎの見積が集まると、この前提が崩れます。

見積の金額で、返事までの日数は変わりますか?

架空の台帳では、50万円未満の214件は8日目に、50万円以上の86件は15日目に半数が答えました。14日目の時点の割合は、50万円未満が66%、50万円以上は48%です。金額ごとに計算すれば、1回目の連絡の日を分けて決められます。

見積金額50万円未満(214件)と50万円以上(86件)で、回答までの日数の累積の割合を比べた階段グラフ。14日目は50万円未満66%、50万円以上48%。半数が答えたのは50万円未満8日目、50万円以上15日目(架空)0%20%40%60%80%100%0日7日14日21日30日45日60日50万円未満(214件)50万円以上(86件)架空の見積台帳300件を金額で2つに分けて Kaplan-Meier 法で計算。出典:見積帳場の計算
図3 金額50万円未満と以上で分けた累積の割合(計算値)。50万円以上は半数が答えるまでに、50万円未満のほぼ倍の日数がかかりました。

ただし、この差は架空のデータの作り方で入れたものです(返事までの中央値を6日と14日にした)。実際に差が出るかどうかは、自社の台帳で確かめるまで分かりません。

分ける区分は、金額のほかに取引先や、新規かリピートかが考えられます。区分を細かくするほど件数が減り、幅が広がります。架空の台帳でも、50万円以上の86件では、14日目の48%に36〜59%の幅がありました。まず全体で1本の曲線を出し、件数が足りる区分だけ分けます。

追客の日を出すために、見積台帳に何を残せばよいですか?

最低限、見積番号・提出日・回答日・結果・金額の5つと、追客の連絡をした日を残します。とくに大事なのは、回答日を日付で書くことと、返事のない見積を「未回答」のまま置いておくことです。

項目 書き方 計算での使い道
見積番号 再見積は枝番にする 同じ見積を2回数えない
提出日 見積書を送った日(暦日) 日数の起点
回答日 受注か失注の連絡が来た日。未回答は空欄 日数の終点
結果 受注・失注・未回答の3つ。区切った見積も未回答 未回答を打ち切りとして扱う
金額 税抜か税込のどちらかにそろえる 金額で分けて計算する
追客の日と方法 連絡した日と、電話かメールか 連絡する前と後で返事の速さを比べる

よくある失敗は、返事のない見積を、一定の日数がたったら「失注」に書き換えることです。そうすると、その日数に答えが集まったように見え、曲線がゆがみます。失注の連絡が来た見積は「失注」、返事のないまま区切った見積は「未回答」と、結果の欄で分けておきます。

見積帳場の導入例(イメージ)には、提出から決まった日数で追客の通知を出す見積画面があります。通知の日数も、台帳から出した日に合わせます。

見積を出した後の連絡の時期を決めるには?

見積台帳から追客の日を出す計算や、提出日と回答日を残す台帳づくりを、見積帳場の主宰が一緒に見ます(無料で相談する)。何をどう頼むか決まっていなくても大丈夫です。御社のやり方に合わせて、進め方を一緒に考えます。準備は要りません。

よくある質問

追客の連絡は、何回までしてよいですか?
決まった回数はありません。架空の台帳では36日目から後に答えが増えたのは2ポイントほどだったので、11日目と20日目の2回で区切り、その後は台帳に未回答のまま残す形にしました。
見積が月に数件しかなくても計算できますか?
はい。ただし件数が少ないほど幅が広がります。300件の台帳でも14日目の割合は55〜67%の幅があったので、少ない件数では週単位の目安として読みます。
Excelでも計算できますか?
はい。日ごとに「その日に答えた件数÷その日まで待っていた件数」を1から引き、前の日の値に掛けていくだけなので、Excelの列で出せます。
追客の日を決めれば、受注率は上がりますか?
分かりません。この計算は今のやり方での返事の速さを測るもので、受注率の変化は示しません。確かめるには、連絡の日を変えた見積と変えない見積で受注の割合を比べます。

この数字はどう出したか

このページの実験と計算の数字は、実際のお客さまの取引ではなく、架空のデータや架空の入力例から主宰が出したものです。計算はPythonのコード(scripts/figsの再現コードと、画面の計算機と同じ式のsrc/lib/calc.ts)で組み、同じ入力なら同じ数字が出ます。

更新 ・ 事実の確認

出典

  1. E. L. Kaplan, Paul Meier「Nonparametric Estimation from Incomplete Observations」Journal of the American Statistical Association 53巻282号 457-481頁(1958年6月)。打ち切りのあるデータから累積の割合を出す方法の原論文(2026年10月16日確認)
  2. 見積帳場「架空の見積台帳300件での、提出から回答までの日数の累積の割合」の計算と図のスクリプト(scripts/figs/follow_up_timing.py)、台帳はすべて架空、2026-10-16 実行(2026年10月16日確認)