労働基準法とシフトの対応表休憩・休日・36協定のルールを表で確かめる

労働基準法のうち、シフト表で確かめるルールは32条(1日8時間・週40時間)、34条(休憩)、35条(休日)、36条(時間外の上限)の4つです。どれも1人1行・1日1列の表から数えられます。架空の12人・4週間のシフト表を自作のチェッカーで調べると、休憩の不足が31人日見つかりました。条文と、表のどこを見るかの対応をまとめます。(2026年10月時点)
全体の流れと費用はシフト作成の自動化のページにまとめています。
要点
- シフト表で確かめる労働基準法の決まりは32条・34条・35条・36条の4つで、どれも表から数えられます。
- 休憩は労働6時間を超えると45分、8時間を超えると60分。6時間ちょうどなら休憩なしでも違反になりません。
- 架空の12人・4週間のシフト表を自作のチェッカーで調べると、休憩の不足が31人日、休日のない週が2人週ありました。
- 36協定の原則の上限は月45時間・年360時間で、特別条項でも休日労働を含めて月100時間未満です。
目次
労働基準法のどの決まりを、シフト表のどこで確かめればよいですか?
確かめるのは労働時間(32条)、休憩(34条)、休日(35条)、時間外労働の上限(36条)の4つです。どれも1人1行・1日1列のシフト表から数えられます。厚生労働省の「シフト制」の留意事項(2022年1月、2026年6月19日改正)も、パートやアルバイトにこの4つがそのまま当てはまると書いています。
条文ごとに、シフト表のどのマスを見て、何を単位に数えればよいかは次の表のとおりです。条文はe-Gov法令検索の労働基準法(2026年7月17日施行の改正を反映した版)で確かめました。
| 条文 | 決まり | シフト表で見るところ | 数える単位 |
|---|---|---|---|
| 32条2項 | 1日8時間まで | 1マスの労働時間(休憩を除く) | 人×日 |
| 32条1項 | 1週40時間まで | 1行の7マスの合計 | 人×週 |
| 34条1項 | 6時間超は45分、8時間超は60分の休憩 | 1マスの休憩の分数 | 人×日 |
| 35条 | 毎週1回か、4週で4日の休日 | 1行の空きマスの数 | 人×週、人×4週 |
| 36条4項〜6項 | 時間外は原則 月45時間・年360時間まで | 1行の時間外の合計 | 人×月、人×年 |
労働条件の通知のしかたや、確定したシフトを変えるときの合意の取り方も留意事項に書かれています。ただ、それは表の中身より運用の決まりなので、ここでは扱いません。
1日8時間・週40時間と36協定の上限は、シフトでどう数えますか?
休憩を除いた労働時間を1日ずつ見て、1日8時間を超えた分と、週40時間を超えた分を時間外として数えます(32条)。週の分を出すときは、1日の段階で時間外にした分を除いて足さないと、同じ時間を二重に数えてしまいます。
時間外のあるシフトを組むには、労使で36協定を結び、労働基準監督署に届け出ておく必要があります(36条1項)。上限は原則として月45時間・年360時間です(36条4項)。
臨時の事情に備えて特別条項を結んでも、時間外は年720時間以内に収めます。時間外と休日労働の合計は、月100時間未満、2〜6か月の平均で80時間以内です。月45時間を超えてよいのは年6か月までです。
シフト表は予定です。予定の段階で月45時間に近い人は、急な欠勤の穴埋めが入れば実績で超えてしまいます。私がシフトの自動作成を組むときは、予定の時間外に上限を置き、月の途中で実績を足して残りの時間を見られるようにします。
介護の夜勤のように1回16時間の勤務は、1日8時間を超えます。組むには、1か月単位の変形労働時間制(32条の2)などの手続きが先に要ります。その場合、留意事項は労働日と各日の労働時間を具体的に決めてからシフト表を作るよう求めています。
シフトの休憩は、何分入れれば足りますか?
労働時間が6時間を超える日は45分以上、8時間を超える日は60分以上の休憩を、勤務の途中に入れます(34条1項)。条文は「超える」なので、労働6時間ちょうどまでの日は休憩がなくても違反になりません。
見落としやすいのは、10時から17時の勤務に30分の休憩を入れる組み方です。労働時間は6時間30分になり、45分が必要なので15分足りません。留意事項によると、休憩中に来客の対応をした時間や、呼ばれたらすぐ動く待機の時間は休憩に数えません。一方で、休憩は分けて取ってもかまいません。
休憩は一斉に与えるのが原則です(34条2項)。交代で取らせるときの扱いは業種や協定の有無で変わるので、社会保険労務士に確かめておくと迷いません。
休日は「毎週1回」と「4週で4日」のどちらで数えますか?
4週4日で数えるには4週間の起算日を就業規則などで決めておく必要があり、決めていなければ毎週1回で数えるのが安全です。35条1項は毎週少なくとも1回の休日を求め、2項で4週を通じて4日以上の休日を与える場合はそれに代えられるとしています。起算日の決まりは労働基準法の施行規則12条の2第2項にあり、厚生労働省の留意事項も同じことを書いています。
シフトを自動で作るときは、どちらの数え方かを条件として先に決めます。4週4日だけを条件にすると、最初の4日に休みをまとめて残り24日を続けて働く並びも、休日の条件の上では通ってしまいます。週40時間の上限とは別に、連勤の上限を職場の決まりとして入れておくのが私のやり方です。
架空のシフト表をチェックすると、何件見つかりますか?
架空の飲食店の12人・4週間のシフト表を自作のチェッカーで調べると、休憩の不足が31人日でいちばん多くなりました。1日8時間を超える日と週40時間を超える週は10件ずつ、休日のない週は2人週です。期間は2026年11月1日〜28日、社員4人とパート8人で勤務は延べ202回です。表は手で組んだ場合を想定して乱数で作りました。
休憩の不足31人日は、すべて「10時〜17時・休憩30分」のパートの勤務でした。1日8時間を超える10人日は、土日の「通し」(10時〜22時・休憩60分、労働11時間)です。36協定があれば時間外として扱えますが、なければ違反です。
休日は毎週1回で数えると2人週が足りず、4週4日で数えるとだれも下回りません。時間外の月の合計は最も多い人で38時間で、月45時間には届きませんでした。
チェッカーの中心は次の数行です。
def work_hours(code): # 休憩を除いた労働時間
_, start, end, brk = SHIFTS[code]
return end - start - brk / 60
if (h > 8 and brk < 60) or (h > 6 and brk < 45): # 34条1項
res['brk'] += 1
weekly_ot = max(0, sum(min(h, 8) for h in hs) - 40) # 32条1項(1日の超過分は除く)
全体はscripts/figs/fig_labor_standards_shift_rules.pyにあります。同じ乱数の種から同じ件数を再現できます。限界は次の3つです。
- 36協定の有無と中身を入力していないので、時間外の件数は「協定がなければ違反」の数です
- 深夜(22時〜5時)の割増賃金と年次有給休暇は数えていません
- 変形労働時間制を使う職場では、1日・1週の数え方が変わります
変形労働時間制を入れるとき、交代で休憩を取らせるとき、36協定に特別条項を足すときは、社会保険労務士に確かめてください。手組みゼロが受け持つのは、決まった条件をシフト作成の自動化に組み込み、表を作るところまでです。
このサイトで相談するには?
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よくある質問
- パートやアルバイトにも、休憩と休日の決まりは当てはまりますか?
- 当てはまります。厚生労働省の「シフト制」の留意事項も、シフト制で働く人に労働基準法32条・34条・35条がそのまま当てはまるとしています。
- 労働6時間ちょうどの勤務に、休憩は要りますか?
- 要りません。34条は6時間を「超える」場合に45分としているので、6時間ちょうどまでは休憩がなくても違反になりません。
- 36協定があれば、月何時間まで残業のシフトを組めますか?
- 原則は月45時間・年360時間までです。特別条項があっても、休日労働を含めて月100時間未満、2〜6か月の平均で80時間以内にとどめます。
- 休日を4週4日で数えるには、何が要りますか?
- 4週間の起算日を就業規則などで決めておくことが要ります(労働基準法施行規則12条の2第2項)。決めていなければ、毎週1回で数えるのが安全です。