勤務間インターバルとは?9時間・11時間をシフト表で守る組み方

勤務間インターバルは、終業から次の始業までに一定時間以上の休息をあける制度で、法律は時間数を決めていません。目安は、厚生労働省の助成金が区分に使う9時間と11時間です。早番7時〜・遅番〜22時の例で計算すると、11時間を下回るのは「遅番の翌日に早番」の並びでした。シフト表でどこを避ければよいかと、自動で作るときの条件の入れ方を説明します。(2026年10月時点)
全体の流れと費用はシフト作成の自動化のページにまとめています。
要点
- 勤務間インターバルは終業から次の始業まで休息をあける制度で、2019年4月から事業主の努力義務です。
- 令和7年就労条件総合調査(30人以上の企業、有効回答3,820社)で、導入している企業は6.9%でした。
- 早番7時〜・遅番〜22時の例では、夜勤明けを除くと、11時間を下回るのは遅番→早番(9時間)だけでした。
- 架空の16人×28日の勤務表では、11時間を条件に入れても、希望休48件はすべて通りました。
目次
勤務間インターバルとは?シフトでは何時間あければよいですか?
勤務間インターバルは、終業から次の始業までに一定時間以上の休息をあける制度で、何時間にするかは法律で決まっていません。根拠は労働時間等設定改善法の第2条第1項で、事業主に「終業から始業までの時間の設定」などに努めるよう求めています。2019年4月1日に施行された努力義務で、罰則はありません。
時間数を決めるときの目安は、次の表の4つです。シフト表で使うなら、9時間と11時間の2本の線を覚えておけば足ります。
| 目安 | 時間数 | 出どころ |
|---|---|---|
| 助成金の下の区分 | 9時間以上11時間未満 | 厚生労働省 勤務間インターバル導入コース(令和8年度) |
| 助成金の上の区分 | 11時間以上 | 同上 |
| EU労働時間指令 | 24時間ごとに連続11時間 | 厚生労働省のマニュアル(2026年3月)による紹介 |
| 導入企業の平均 | 10時間51分 | 厚生労働省の就労条件の調査(令和7年) |
注意したいのは、時間数を決めていない会社は「導入している」に数えられない点です。厚生労働省の就労条件の調査(令和7年)は、具体的な時間数を定めていない会社を、制度に当たらないと定義しています。「なるべく休ませている」では足りません。時間数を数字で決めます。
どのシフトの並びが、9時間・11時間を下回りますか?
夜勤明けを除くと、11時間を下回るのは「遅番の翌日に早番」の並びだけで、あき時間は9時間です。早番7〜16時・日勤9〜18時・遅番13〜22時・夜勤22〜翌7時の例で計算しました。時刻は、厚生労働省の介護事業向けマニュアルに載る特別養護老人ホームの例に、日勤を足したものです。
16通りのつなぎ方のうち、9時間未満になるのは夜勤からの3つです。夜勤の翌朝(明け)にそのまま早番・日勤・遅番へ入ると、0〜6時間しかあきません。明けの日を休みにすれば、この3つは消えます。同じマニュアルの例の施設は、インターバルを9時間に定め、22時に終わる遅出の翌日を早出にしない運用をしていました。
残業があると、インターバルはどこで崩れますか?
遅番の翌日の日勤は、残業なしでちょうど11時間です。11時間で運用している職場では、遅番が1分延びれば、もう下回ります。シフト表の上で守れていても、実際の勤務で崩れるのはこの並びです。
厚生労働省のマニュアル(卸売業・小売業版)は、残業やシフト変更で実際の勤務が予定からずれる場合も想定しています。確保できなかったときに気づける仕組みと、代わりの措置を決めておく必要があるという書き方です。対応の例は、翌日の始業を遅らせる方法と、重なった時間を働いたものとみなす方法の2つです。
始業を遅らせると、翌朝の配置が1人欠けます。私が勤務表の条件を決めるときは、遅番の残業を30分ほど見込み、遅番→日勤も避ける形を一度は試します。
勤務表を自動で作るとき、インターバルはどう条件に入れますか?
「前の日の勤務と翌日の勤務を、この組み合わせでは並べない」という禁止の条件として書きます。ソルバー(条件を満たす組み合わせを探すプログラム)は、その並びのない勤務表だけを探します。架空の職場(16人×28日)で、GoogleのOR-Tools CP-SATを使って4通りに解きました。
for d in range(D - 1):
for i, p in enumerate(SHIFTS): # 前の日の勤務
for j, n in enumerate(SHIFTS): # 翌日の勤務
if gap(p, n) - buffer < min_rest:
m.Add(x[e, d, i] + x[e, d + 1, j] <= 1)
条件なしで解くと、遅番→早番が3回出ました。ソルバーは、書かれていない決まりを気にしないからです。11時間を条件にするとこれが0回になり、残業30分を見込むと遅番→日勤も12回から0回に減りました。どの解き方でも、希望休48件はすべて通りました。
| 解き方 | 11時間未満の並び | 遅番→日勤 | 通った希望休 | 解けた時間 |
|---|---|---|---|---|
| 条件なし | 3回 | 12回 | 48/48件 | 0.7秒 |
| 9時間以上 | 3回 | 12回 | 48/48件 | 0.8秒 |
| 11時間以上 | 0回 | 12回 | 48/48件 | 0.6秒 |
| 11時間+残業30分 | 0回 | 0回 | 48/48件 | 0.7秒 |
この職場は人数に余裕があるので、希望休が減りませんでした。人が足りない職場では、条件を足すと解けない月が出ることもあります。そのときは、どの条件どうしがぶつかっているかを示して、人が決めます。
導入している会社はどれくらいで、助成金は使えますか?
厚生労働省の就労条件の調査(令和7年)では、導入している企業は6.9%でした。対象は常用労働者30人以上の民営企業で、有効回答は3,820社、2025年1月1日時点の状況です。前年の調査の5.7%からは上がり、30〜99人の企業に限ると6.1%でした。
国の「過労死等の防止のための対策に関する大綱」は、2028年までに30人以上の企業の15%以上にする目標を掲げています。今は、その半分にも届いていません。
助成金は、中小企業向けに「勤務間インターバル導入コース」があります(厚生労働省の働き方改革の助成金の1つ)。令和8年度の上限は、労働者の半数超に新しく導入する場合、9時間以上で100万円、11時間以上で150万円です。
補助率は3/4です。労務管理用ソフトウェアの導入も、支給の対象となる取組に含まれます。交付申請の期限は2026年11月30日で、予算によっては早く締め切られます。
次の3つは、社会保険労務士か都道府県労働局に確かめてください。
- 36協定や過去2年の残業の実態など、助成金の要件に当てはまるか
- 就業規則にインターバルの時間数と、確保できなかったときの扱いをどう書くか
- 始業を遅らせた日の賃金をどう扱うか
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よくある質問
- 勤務間インターバルを守らないと、罰則はありますか?
- ありません。労働時間等設定改善法の努力義務です。ただし、法定労働時間や休日など労働基準法の決まりは、別に守る必要があります。
- 9時間と11時間、どちらにすればよいですか?
- 法律の決まりはありません。助成金の上限は11時間以上の方が高く、半数超に導入する場合で150万円です。遅番の終業と早番の始業の差から決めます。
- パートやアルバイトも対象にしますか?
- 対象にするのが基本です。厚生労働省のマニュアルは、制度は原則としてすべての従業員に適用されると説明しています。
- 残業でインターバルが足りなくなったら、どうしますか?
- 翌日の始業を遅らせるか、重なった時間を働いたものとみなすかの2つが、厚生労働省のマニュアルに挙がっています。どちらにするか先に決めておきます。
出典
- e-Gov法令検索「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」(平成4年法律第90号)第2条第1項(2026年10月16日確認)
- 厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト「勤務間インターバル制度とは」(2026年10月16日確認)
- 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査の概況」(2025年12月19日公表、常用労働者30人以上の民営企業、有効回答3,820社、2025年1月1日現在)(2026年10月16日確認)
- 厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)」(2026年10月16日確認)
- 厚生労働省 リーフレット「令和8年度 働き方改革推進支援助成金 勤務間インターバル導入コースのご案内」(2026年4月)(2026年10月16日確認)
- 厚生労働省「勤務間インターバル制度 導入・運用マニュアル 卸売業・小売業版」(2026年3月)(2026年10月16日確認)
- 厚生労働省「勤務間インターバル制度 導入・運用マニュアル 高齢者福祉・介護事業種版」(2022年3月)(2026年10月16日確認)
- Google OR-Tools「CP-SAT Solver」(2026年10月16日確認)