FAXの注文書と電子帳簿保存法データで受けたFAXは電子取引、紙との違いと保存の方法

FAXの注文書をデータ(PDFなど)で受け取っている場合は電子帳簿保存法の「電子取引」に当たり、データのまま保存する必要があります。紙で受信して紙で保存する従来のFAXは、電子取引には当たりません。この記事では、国税庁の一問一答をもとに両者の違いと保存の方法の選択肢を整理します。個別の判断は税理士にご確認ください(2026年10月時点)。
全体の流れと費用はFAX受注の自動化のページにまとめています。
この記事の要点
- FAXの注文書は、データで受け取ると電子帳簿保存法の「電子取引」に当たり、データのまま保存する必要があります。
- 紙で受信して紙で保存する従来のFAXは電子取引に当たらず、紙のまま保存できます。
- データで受けた場合は、タイムスタンプを付けるか、事務処理規程を作って管理するかのどちらかを選びます。
- 複合機の転送設定を変えると扱いが変わるので、受け取り方を変える前に保存の方法を決めておきます。
目次
データで受け取ったFAXは、電子取引になりますか?
なります。国税庁の電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】の問4は、ペーパーレス化されたFAX機能を持つ複合機の利用を、電子取引の例に挙げています。
最近の複合機には、受け取ったFAXを紙に印刷せず、PDFにしてメールで送ったり共有フォルダに置いたりする機能があります。この形で注文書を受けているなら、その注文書は「データで受け取った取引の書類」として扱われます。FAX受注の自動化でも、多くの場合この転送機能を使うので、自動化を考えている会社ほど関係のある話です。
紙で受け取ったFAXとは、何が違うのですか?
違いは「どう受け取ったか」です。紙で受信して紙で保存する従来のFAXは電子取引に当たらず、データで受け取ったFAXはデータのまま保存する必要があります。
| 受け取り方 | 電子取引に当たるか | 保存の基本 |
|---|---|---|
| FAX機で紙に印刷されて届く | 当たらない | 紙のまま保存 |
| 複合機でPDFにしてメールやフォルダで受ける | 当たる | データのまま保存し、タイムスタンプか事務処理規程で管理 |
| クラウドFAX(インターネット経由のFAX)で受ける | データで受け取るので、電子取引として扱う前提で考える | データのまま保存 |
気をつけたいのは、データで受け取ったあとに印刷し、紙だけを残しているケースです。データで受けたものはデータのまま保存することが求められるため、印刷した紙だけでは足りないと考えておくのが安全です。
たとえば架空の「部品卸のA社」で、本社の複合機はFAXをPDFにしてメールで受け、営業所のFAX機は紙に印刷して受けているとします。この場合、同じ注文書でも、本社で受けた分はデータのまま保存し、営業所で受けた分は紙のまま保存する、と扱いが分かれます。拠点ごとに受け方が違う会社は、まず受け方の一覧を作ると整理しやすくなります。
データで受けたFAXは、どう保存すればよいですか?
データのまま保存したうえで、タイムスタンプ(その時点から書き換えていないことを示す電子的な印)を付けるか、事務処理規程(データを勝手に直さないための社内ルール)を作って管理するか、のどちらかを選びます。
| 方法 | 内容 | 向いている会社 |
|---|---|---|
| タイムスタンプ | 受け取ったデータに、時刻と改ざんされていないことを示す印を付ける | 対応した保存サービスをすでに使っている会社 |
| 事務処理規程 | 訂正や削除のルールを決めて文書にし、そのとおりに運用する | 費用をかけずに始めたい会社 |
進め方の一例です。
- 今のFAXが紙で届いているか、データで届いているかを確かめる
- データで届くなら、保存先のフォルダを1か所に決める
- ファイル名に日付・取引先・金額などを入れるルールを決める
- タイムスタンプか事務処理規程か、管理の方法を選ぶ
- 決めた内容を税理士に見てもらう
保存に関するそのほかの細かい要件は、国税庁の資料と税理士の説明で確かめてください。
FAX受注を自動化すると、保存の仕方は変わりますか?
変わる可能性があります。紙で受けていたFAXを、自動化のために複合機でPDFにして受けるようにすると、その時点から電子取引として保存する前提で考える必要があります。
私が試作で仕組みを組むときは、届いたPDFの原本には手を加えず、決めたフォルダにそのまま残すようにしています。AIが読み取った品名や数量のデータは、販売管理に取り込むための別のデータとして扱い、原本とは分けておきます。こうしておくと、保存のルールと受注の作業がぶつかりにくくなります。
もう1つ気をつけたいのは、AIの読み取り結果を人が直すときです。直すのは販売管理に送るデータの側だけにして、原本のPDFは開いて見るだけにします。原本に書き込んだり、別の名前で上書きしたりしないように、保存先のフォルダは担当者が編集できない設定にしておくと安心です。
最終的には、誰に確認すればよいですか?
個別の判断は、顧問の税理士に確認してください。この記事は国税庁の一問一答をもとにした一般的な整理で、会社ごとの取引の形や保存のやり方までは判断できません。
税理士に相談するときは、「FAXをどう受けているか(紙かデータか)」「どこに保存しているか」「印刷しているか」の3点を伝えると話が早く進みます。FAX受注の自動化を予定している場合は、いつから受け方が変わるかも合わせて伝えておくと、事務処理規程を作る時期などを一緒に考えてもらえます。
このサイトで相談するには?
FAXをPDFで受ける形に切り替える場合の、保存先の決め方や原本の残し方も含めて、無料相談でお聞きします。自動化の費用は一式30万円〜です。法令の最終的な判断は、税理士にご確認ください。
よくある質問
- 複合機でFAXをPDFにしてメールで受けると電子取引ですか?
- 電子取引に当たると考えられます。国税庁の一問一答は、ペーパーレス化されたFAX機能を持つ複合機の利用を電子取引の例に挙げています。
- データで受けたFAXを印刷して保存すれば足りますか?
- 印刷した紙だけでは足りないと考えておくのが安全です。データで受けたものはデータのまま保存し、扱いは税理士に確認してください。
- 紙で受信したFAXも電子化しないといけませんか?
- 紙で受信して紙で保存する従来のFAXは、電子取引には当たりません。電子化して保存したい場合の扱いは税理士に確認してください。
出典
- 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(国税庁)(2026年10月12日確認)

