重機とオペレーターの配車管理を、前日夜の電話から外すには?8台・20現場の連絡本数と雨の組み直しを計算した

重機の配車管理は、重機・オペレーター・現場の3つを1つの表で持ち、条件つきで割り当て案を出せば、前日夜の電話を「確定の一斉連絡」に置き換えられます。重機8台・20現場の架空の会社で現場のまどが計算すると、電話での調整は37本・約111分、表で持つと断りの電話4本と一斉連絡1回でした。雨で2現場が中止になっても、組み直し案はすぐ出ます。(2026年10月時点)
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要点
- 重機・オペレーター・現場を1つの表で持てば、前日夜の配車の電話は確定の一斉連絡に置き換えられます。
- 重機8台・20現場の架空のモデルでは、電話での前日夜の調整は37本、1本3分として約111分でした。
- 表と割り当て案で持つと、電話は断りの4本だけになり、残りは一斉連絡1回で済む計算です。
- 雨で2現場が中止になると、空いた2台を断っていた2現場へ回す案が出て、変わる人は2人だけでした。
- 電話の本数は仮定を置いたモデル計算なので、自社の数字は1週間の発着信の記録で確かめてください。
目次
重機とオペレーターの配車を、前日夜の電話から外すには?
重機・オペレーター・現場の3つを1つの表で持ち、割り当て案を条件つきで出すことです。部長の電話は、案を確かめたあとの「確定の一斉連絡」だけになります。所長は翌日の予定を表に入れ、オペレーターはリンクで行き先を見ます。
前日夜の電話が増えるのは、組み合わせが部長の頭の中にしかないからです。どの重機が空いていて、誰がその機械に乗れて、どの現場が急ぐのか。部長はそれを、所長とオペレーターに1本ずつ電話して確かめながら決めています。
| 項目 | 電話で調整 | 1つの表で持つ |
|---|---|---|
| 翌日の予定を集める | 所長20人に電話 | 所長が表に入力 |
| 組み合わせを決める | 部長の頭の中 | 条件つきの割り当て案 |
| オペレーターへの連絡 | 1人ずつ電話 | 確定の一斉連絡1回 |
| 雨で中止が出たとき | 電話で組み直す | 組み直し案を出して変更分だけ連絡 |
前日夜の配車の電話は、何本になっているのですか?
重機8台・オペレーター10人・20現場の架空の会社で数えると、前日夜の電話は37本でした。1本3分として約111分です。内訳は、所長との予定の確認20本、断りと機種の変更の説明5本、オペレーターへの連絡8本、不在で掛け直す4本です。
掛け直しは「かける電話の30%」、1本の長さは3分と置きました。どちらも仮定で、実測ではありません。それでも、予定の確認だけで20本になる点は、現場の数がそのまま電話の本数になる電話の仕組みから来ています。
1日111分の電話が毎日の時間外にかかると、月20日で約37時間です。建設業にも2024年4月1日から時間外労働の上限が適用され、原則は月45時間・年360時間です。部長の夜の電話も労働時間に入ります。
割り当て案は、どんな条件で出すのですか?
必ず守る条件は3つです。機種が合うこと、その機械に乗れる人が乗ること、1台・1人は1日1現場までにすることです。そのうえで急ぐ現場から埋めます。今日と同じオペレーターが続けて入れる現場や、置き場から近い現場も、点数を少し上げて案に入れました。
乗れる人の条件は欠かせません。労働安全衛生法の就業制限で、機械の大きさごとに要る資格が決まっているからです。割り当ての条件に直すと、次の線引きになります。
| 機械 | 要る資格 | 根拠 |
|---|---|---|
| 機体重量3t以上のバックホウ・ブルドーザーなど | 車両系建設機械の運転技能講習 | 安衛法施行令 第20条第12号 |
| 機体重量3t未満の同じ機械 | 特別教育(技能講習でも可) | 安衛則 第36条第9号 |
| つり上げ荷重5t以上の移動式クレーン | 移動式クレーン運転士免許 | 施行令 第20条第7号、クレーン則 第68条 |
| つり上げ荷重1t以上5t未満の移動式クレーン | 小型移動式クレーン運転技能講習(免許でも可) | クレーン則 第68条ただし書き |
| つり上げ荷重1t以上のクレーンの玉掛け | 玉掛け技能講習など | 施行令 第20条第16号、クレーン則 第221条 |
大型特殊免許は、重機で公道を走るための運転免許です。上の条文はどれも「道路上を走行させる運転を除く」としていて、現場の中で動かすための資格とは別に数えます。国土交通省の職種の定義でも、機械重量3t以上のバックホウなどを動かすのは「運転手(特殊)」です。
そこで表には、オペレーターごとに持っている資格を持たせ、機種ごとに要る資格と照らします。たとえば3t未満の特別教育だけの人は、0.25のバックホウ(このモデルでは機体重量7t)にも割り当てません。
def needs(mtype): # 機種に要る資格
t = 機体重量[mtype]
return {'技能講習' if t >= 3 else '特別教育'}
if mt in 社内で乗せている機種[o] and legal(資格[o], mt):
x[s, m, o] = md.NewBoolVar('') # 法令で乗れる組み合わせだけ変数を作る
計算には整数計画(条件を守りながら点数がいちばん高い組み合わせを探す方法)を使いました。要点は次の数行です(変数名の一部を日本語に置き換えています)。
for s in range(len(reqs)): # 1現場に1組まで
md.Add(sum(v for k, v in x.items() if k[0] == s) <= 1)
w = {1: 300, 2: 200, 3: 100}[優先] + (20 if 今日と同じ人 else 0) - 距離km
12現場の依頼に対して8台なので、4現場は断ることになり、1現場はバックホウ0.45の代わりに0.25が入りました。全体は実験の台本とデータ(zip)の heavy_equipment_dispatch.py にあり、同じデータなら誰が動かしても同じ結果になります。
雨で2現場が中止になったら、組み直しはどうなりますか?
組み直し案は、空いた2台を、断っていた2現場へそのまま回すものでした。動くのはオペレーター2人だけで、ほかの6台の行き先は変わりません。今の割り当てから変える組み合わせに大きな減点を付けて解き直したためです。
電話で組み直す場合のモデルは7本・約21分です。中止の連絡を受ける2本、行き先が変わる2人と新しく入る2現場への4本、掛け直し1本です。表で持つ場合は、変わった2人と2現場に一斉連絡を送るだけです。
組み直さずに2人が手待ちになった場合の損失は、賃金だけで58,884円です。2026年3月から適用の公共工事設計労務単価で、運転手(特殊)の全国平均29,442円×2人と計算しました。この単価は所定労働時間内8時間当たりの賃金で、重機の損料や会社の経費は入っていません。
表で持っても、電話が残るのはどんな場面ですか?
断りの連絡と、表に書けない事情の相談です。モデルでも、重機が足りずに断る4現場への電話は残しました。断る理由や次に入れる日は、文字より声で伝えるほうが角を立てずに済むからです。
もう1つは、所長が予定を表に入れてくれない場合です。入力にログインやアカウントが要ると、夜に電話で伝えるほうが早くなり、元に戻ります。私が作るときは、所長とオペレーターにアカウントを作らせず、現場ごとのリンクから入れる形にします。仕組みは職人がアカウントなしで日報を出せる仕組みに書いています。
このモデルは架空の会社の計算で、電話の本数は会社の規模と段取りで変わります。自社で確かめるなら、前日夜の発着信の履歴を1週間分数えるのがいちばん早い方法です。職人の割り振りまで含めた計算は職人15人・30現場の割り振りの実験にあります。
資格の線引きを、手配ボードで二重手配と一緒に検査する条件の書き方は職人の手配ミスは、ルールで何件見つけられる?にあります。手配を、ホワイトボードと前日夜の電話から画面へ移す手順は、職人の手配をホワイトボードからアプリに移す手順で説明しています。
このサイトで相談するには?
重機と人の割り当てを、御社の条件でどこまで案にできるかは、現場のまどの相談で一緒に確かめられます(無料で相談する)。何をどう頼むか決まっていなくても大丈夫です。御社のやり方に合わせて、進め方を一緒に考えます。準備は要りません。
よくある質問
- 重機の配車は、エクセルの表では足りませんか?
- 台数が少なければ足ります。ただ、資格や優先度を見ながら割り当て案を出す計算と、確定の一斉連絡はエクセルだけでは難しく、そこを足すと電話が減ります。
- レンタルの重機も同じ表に入れられますか?
- はい。借りる期間だけ1台として足し、返す日を入れておけば、自社の重機と同じように割り当て案に入ります。
- オペレーターがスマホを使い慣れていなくても大丈夫ですか?
- 大丈夫です。確定の連絡はリンクを開くだけで、行き先と機械と集合時刻が出ます。返事は「見ました」のボタン1つにできます。
- 割り当て案に、部長の判断は入らないのですか?
- 入ります。案は下書きで、部長が入れ替えてから確定します。入れ替えた理由を条件として足せば、次からの案に反映されます。
出典
- 国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」(2026年2月17日発表。運転手(特殊)全国平均29,442円、所定労働時間内8時間当たり)(2026年10月16日確認)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」第20条第7号・第12号・第16号、別表第七(就業制限に係る業務)(2026年10月16日確認)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第36条第9号・第16号・第19号(特別教育を必要とする業務)(2026年10月16日確認)
- e-Gov法令検索「クレーン等安全規則」第68条(移動式クレーンの就業制限)・第221条(玉掛けの就業制限)(2026年10月16日確認)
- 国土交通省「調査対象職種の定義・作業内容」(公共事業労務費調査。運転手(特殊)・運転手(一般)の定義)(2026年10月16日確認)
- 厚生労働省 群馬労働局「建設業の時間外労働の上限規制」リーフレット(2024年4月1日から適用)(2026年10月16日確認)
- 現場のまど 配車のモデル計算と図のスクリプト(実験の台本とデータのzipの heavy_equipment_dispatch.py、架空のデータ)、2026-10-16(2026年10月16日確認)


