期限切れで捨てた在庫はいくら?品目別の廃棄額と、仕入額に対する割合の出し方

期限切れで捨てた在庫の金額は、品目ごとに「廃棄数量×仕入単価」を出して足し、月の仕入額で割った割合で見ます。廃棄の記録がない品目は、前回の実在庫+仕入−出荷−今回の実在庫で消えた数を出し、廃棄伝票と照らして分けます。国全体では、2024年度の事業系の食品ロスは237万トンで、食品製造業110万トン、食品小売業48万トンでした(農林水産省)。在庫てちょうの主宰が、自社の数字を入れる計算機と業種別の推移の図を作りました(2026年10月時点)。
全体の流れと費用は在庫管理のExcel脱却のページにまとめています。
要点
- 期限切れの廃棄額は、品目ごとの廃棄数量×仕入単価の合計で、売値ではなく仕入単価で数えます。
- 架空の食品卸の例では、3品目で月39,060円、月の仕入額400万円に対して0.98%、12か月で468,720円でした(計算値)。
- 記録がない品目は、前回の実在庫+仕入−出荷−今回の実在庫で消えた数を出し、廃棄伝票にある分だけを廃棄に入れます。
- 2024年度の事業系の食品ロスは237万トンで2012年度から28.4%減り、外食産業は2022年度の60万トンから70万トンに増えました(農林水産省の推計)。
目次
期限切れで捨てた在庫の金額は、どう計算すればよいですか?
期限切れで捨てた在庫の金額は、品目ごとに「廃棄数量×仕入単価」を出し、それを足して求めます。売値ではなく仕入単価で数えるのは、実際に出ていったお金を見るためです。処分を業者に頼んでいるなら、その費用は別の欄に足します。
架空の食品卸の1か月で、3品目の廃棄額は次の表のとおり合計39,060円でした。
| 品目(架空) | 廃棄数量 | 仕入単価(円) | 廃棄額(円) |
|---|---|---|---|
| 冷凍むきえび 1kg | 8袋 | 2,400 | 19,200 |
| カット野菜 1kg | 30袋 | 350 | 10,500 |
| 生クリーム 1L | 12本 | 780 | 9,360 |
| 合計 | 39,060 |
捨てた数がいちばん多いのはカット野菜の30袋ですが、金額でいちばん大きいのは冷凍むきえびの19,200円です。数量だけで「どれを減らすか」を決めると、金額の大きい品目を見落とします。
廃棄額は、なぜ月の仕入額に対する割合で見るのですか?
廃棄額を月の仕入額で割ると、仕入の多い月と少ない月、店や拠点どうしを同じ物差しで比べられます。架空の例では、廃棄額39,060円を月の仕入額4,000,000円で割って0.98%でした。12か月続けば468,720円です(計算値)。
仕入額の多い繁忙期は、廃棄額も増えるのが普通です。金額だけを並べると「今月は廃棄が多い」と誤って読みます。割合なら、仕入が増えた分を除いて、捨て方が変わったかどうかが分かります。
分母は売上高にする方法もあります。ただ、値引きや売値の変更で割合が動くので、仕入額のほうが捨てた物の量に近い動きをします。
何%なら多いという決まった基準は、私が探した範囲では見つかりませんでした。業種や品目で大きく違うので、自社の前の月・前の年と比べます。割合の式は途中で変えず、毎月そろえます。
廃棄の記録がない品目は、どう逆算すればよいですか?
廃棄の記録がない品目は、「前回の実在庫+仕入−出荷−今回の実在庫」で消えた数を出します。そのうち廃棄伝票や処分の記録にある分だけを廃棄として数えます。架空の生クリームの例では、30+200−170−42で18本が消えていました。廃棄伝票にある12本を廃棄額に入れ、残りの6本は原因不明として別に残します。
消えた数をそのまま廃棄にしないのは、ほかの原因が混ざるからです。出荷の記録漏れ、数え間違い、持ち出しでも、消えた数は増えます。差の原因の見分け方は在庫が帳簿と合わない原因の診断表にまとめました。
廃棄伝票がない店では、捨てるときに品目と数をメモに残すところから始めます。1か月分たまれば、この逆算と照らして、記録の漏れがどれくらいあるかも分かります。
自社の品目で廃棄額を計算するには?
下の計算機に、1か月に捨てた品目の数量と仕入単価、月の仕入額を入れます。品目別の廃棄額と合計、仕入額に対する割合、12か月に直した額が出ます。最初はどの欄も空で、入れた数字だけで計算します。
- 廃棄額の合計(月)
- —
- 仕入額に対する割合
- —
- 12か月に直すと
- —
- 処分の費用を足すと(月)
- —
- 品目別の廃棄額
- —
計算式:廃棄額=廃棄数量×仕入単価、割合=廃棄額の合計÷月の仕入額。税抜・税込はどちらかにそろえてください。入れた数字はこのページの中だけで計算し、送信しません。
計算機に入れる数は、どう決めますか?
捨てた数が分からない品目は、廃棄の記録がない品目の逆算で出した数のうち、伝票にある分だけを入れます。品目が5つを超えるときは、金額の大きいものから入れてください。
国全体では、事業系の食品ロスは業種別にどれくらいですか?
農林水産省の推計では、2024年度の事業系の食品ロスは237万トンでした。内訳は食品製造業110万トン、食品卸売業9万トン、食品小売業48万トン、外食産業70万トンです。食品ロスは、本来食べられるのに捨てられた食品(可食部)の量です。環境省の資料では、製造・流通の規格外品、返品、売れ残りなどが含まれると説明しています。
2012年度の331万トンからは28.4%減りました(計算値)。業種別では、外食産業が119万トンから70万トンへ41.2%、食品製造業が141万トンから110万トンへ22.0%減っています。ただし外食産業は、2022年度の60万トンから2024年度の70万トンに増えました。
この推計は重さで、金額ではありません。食品以外の医薬品や日用品も含みません。自社の廃棄額を国の数字と比べるより、自社の前の月と比べるほうが役に立ちます。
廃棄額を減らすには、在庫の記録の何を変えればよいですか?
入荷のときに品目ごとの賞味期限や使用期限を記録し、期限の近いものから出す指示と、期限前の知らせを出せる形に変えます。紙やExcelの在庫表では、期限は箱を見ないと分かりません。そのため、奥の古いものが残りやすくなります。
廃棄を記録する手間も減らします。捨てる品物をスマホで読み取って数を入れれば、品目・数量・日付がそろい、仕入単価をかけた廃棄額がその場で出ます。月末に伝票を集めて計算し直す必要がなくなります。
在庫てちょうでは、自社専用の在庫管理アプリを作ります。スマホでバーコードやQRラベルを読み取り、入出庫・ロット・期限を記録する形です。先入れ先出しを守るかどうかの差は冷凍庫の先入れ先出しと廃棄で扱っています。入荷時の期限の記録は賞味期限とロットをスマホで記録するが詳しい手順です。
このサイトで相談するには?
たとえば、冷凍庫の奥から期限切れが月に数箱出ているなら、その品目の入荷日と期限を記録する形から考えられます。
捨てている品目の金額は、こちらで今の在庫の記録に当てて、どこで拾えるかをお見せします。決まっていなくても大丈夫で、準備は要りません。無料で相談する
よくある質問
- 廃棄額は売値と仕入単価のどちらで計算しますか?
- 仕入単価で計算します。売値で数えると、売れていれば入ったはずの利益まで足すことになり、ほかの月や品目と比べにくくなります。売り逃した額を見たいときは別の欄に分けます。
- 仕入単価が仕入のたびに変わるときは、どれを使いますか?
- 捨てたロットの仕入単価を使います。ロットが分からなければ、直近の仕入単価で数え、どちらで数えたかを毎月同じにします。決算の評価方法とは別の話です。
- 廃棄額が仕入額の何%なら多いと言えますか?
- 決まった基準はありません。業種や品目で大きく違うので、自社の前の月や前の年と比べて増えたか減ったかを見ます。
- 期限切れの廃棄は、会計ではどう処理しますか?
- 廃棄の事実を記録として残したうえで、勘定科目や損金の扱いは顧問税理士に確かめてください。廃棄の日付・品目・数量・写真があると説明しやすくなります。
出典
- 農林水産省「事業系食品ロス量(2024年度推計値)を公表」2026年6月30日(2026年10月16日確認)
- 環境省「我が国の食品ロスの発生量の推移等」2024年度推計の別添(事業系食品ロス量の業種別の推移、農林水産省の推計)2026年6月30日(2026年10月16日確認)
- 農林水産省「事業系食品ロス量(2023年度推計値)を公表」2025年6月27日(2026年10月16日確認)


