材料費等記載見積書の内訳は、画面でどう組み上がりますか?
部材の単価表と工程ごとの人工から、材料費、労務費、法定福利費、安全衛生経費、諸経費の順に計算し、合計は一式のときと同じ金額にそろえます。みどり住設(架空)の浴室改修で、内訳の見本を示します。
工事の種別は浴室(ユニットバスの交換)で、工程は6つ、準備1日と作業5日の合計6日、人工は計7です。労務費は7人工に架空の労務単価25,000円を掛けて175,000円、材料費は6工程の部材の合計で760,000円です。
法定福利費の率15.51%は、厚生年金18.3%と協会けんぽ全国平均9.90%の半分ずつに、建設の事業の雇用保険の事業主負担1.05%と、子ども・子育て拠出金0.36%を足した値です(材料費等記載見積書の記事に計算があります)。40歳未満の社員の率で、労災保険料と介護保険料は入っていません。自社の率は、保険料の通知で確かめて画面の設定に入れます。
| 項目 | 金額 | 計算 | 決める人 |
|---|---|---|---|
| 材料費 | 760,000 | 6工程の部材の単価表の合計 | 単価表(画面) |
| 労務費 | 175,000 | 7人工 × 25,000円 | 労務単価は社長 |
| 法定福利費(事業主負担分) | 27,143 | 労務費 × 15.51% | 率は設定で確かめる |
| 安全衛生経費 | 8,000 | 保護具・送風機など | 社長 |
| 建設業退職金共済の掛金 | 0 | 対象の人がいなければ0円 | 設定 |
| 処分費・運搬費 | 60,000 | 解体で出る廃材の分 | 社長 |
| 諸経費 | 123,617 | 上の合計1,030,143円 × 12%(架空の率) | 率は社長 |
| 合計 | 1,153,760 | 一式1行のときと同じ金額 |
内訳を出しても、合計は動かしません。一式の金額を、材料費等と諸経費に分けて書き直す形です。工程の日数は、月曜から始めて土日を休むと、終わりが翌週の月曜で暦では8日になります。画面は、この暦の日数も計算して、見積書に書く日数と並べます。
見積を出した後は、7日目と14日目に連絡の時期を通知します。連絡の時期の決め方は見積の追客の記事にあります。率や経費の考え方は会社ごとに違うので、画面の設定に入れて、見積ごとに直せる形にします。値決めと、労務費をどこまで書くかは、社長が決めます。
金額を税抜で書くか税込で書くかも決めておきます。個人のお客さまに見積書そのものを渡す場合は義務の対象外ですが、見積り例を広告に載せるなら総額の表示が要ります。この例の表は税抜です(見積書の消費税の記事)。
内訳に直した見積が正しいかは、3つで確かめます。1つ目は、合計が一式のときと合うことです。2つ目は、材料費等(材料費、労務費、法定福利費、安全衛生経費、建設業退職金共済の掛金)の合計が、この例で970,143円、合計の約84%になることです。3つ目は、工程の人工の合計と日数が釣り合うことです。この例では7人工が6日に入っています。画面はこの3つを見積ごとに計算し、合わないときは印を付けます。
自社の見積を内訳に直すときは、過去の一式の見積を3件ほど選び、工程に分けるところから始めます。次に、よく使う部材の単価表と、工程ごとの人工の表を作ります。率と労務単価は設定に入れ、見積ごとに直せる形にします。建設業の許可を受けていない事業者や、建設工事ではない取引には、材料費等記載見積書の決まりは当てはまりません。当てはまるかは、国土交通省か都道府県の建設業の担当窓口で確かめます。
この計算例で、よく聞かれること
- 法定福利費の率は、何%に置けばよいですか?
- 会社ごとに違います。この例の15.51%は、40歳未満の社員、協会けんぽの全国平均、建設の事業の雇用保険を前提にした架空の置き方です。介護保険料や労災保険料は入っていません。自社の率は保険料の通知で確かめて、設定に入れます。
- 現場でスマホから入れた寸法は、そのまま見積になりますか?
- そのままは出しません。寸法と部材から内訳の下書きが出て、社長か担当者が確かめてから見積書にします。値決めと、労務費をどこまで書くかは人が決めます。
- 小さなリフォームでも、内訳つきの見積が要りますか?
- 建設業の許可を受けた会社は、工事の大きさにかかわらず、材料費等記載見積書を作るよう努める決まりの対象です。許可を受けずに軽微な工事だけを請け負う事業者は当たりません。迷うときは、国土交通省か都道府県の窓口へ確かめます。
- 見積の後の連絡は、どう決めますか?
- 提出から7日目と14日目に知らせる形を、この例では置いています。日数は、見積台帳の回答の日数から決められます。連絡するかどうかと、何を伝えるかは人が決めます。
導入前の困りごと
- 社長が現場を見た後に、Excelの過去の見積を写して作るので、1件に約2時間、提出まで3〜5日かかりがちです
- 見積は「一式」の行が多く、建設業法 第20条が求める材料費・労務費の内訳と工程ごとの日数が書けていません
- 見積を出した後の連絡が担当者の記憶頼みで、返事がないまま終わる案件があります
ほかの頼み先と、何を比べたか
見積書を作る道具と、業種の型を持つ製品と比べると、どちらも「社長の計算の決まりをそのまま残す」所が足りなくなりがちです。
見積書作成ソフト(A社)
見積書の形は整いますが、部材と工程の日数から内訳を計算する部分は残ります
Excelの見積表を作り直す
費用はかかりませんが、部材の単価が変わるたびに、どのシートを直すかを社長が覚えておく形が続きがちです
見積帳場
部材の単価表と工程の日数の表を作り、スマホの入力から内訳つきの見積書と連絡の通知までを作ります。一式40万円〜です
どんな仕組みを作るか
現場の寸法と選んだ部材をスマホで入れると、部材の単価表と工程ごとの日数の表から、材料費・労務費・経費の内訳と工程の日数を書いた見積書(PDF)ができます。見積書のデータは、取引年月日・金額・相手先で探せる形で保存します。
ここがポイント:内訳と工程の日数が見積書に最初から入るので、材料費等記載見積書の形を毎回手で整えなくて済みます。




導入の流れ
浴室の見積1件で、内訳と工程の日数つきの見積書の試作をお見せします
部材の単価表と工程ごとの日数の表を、今のExcelから作ります
キッチン・外壁に広げ、連絡の通知と見積書の保存の形を整えます
この導入例に関わるコラム
主宰のひとこと
内訳を出すと、労務費をどこまで見積に書くかを社長が決める場面が増えます。画面は計算までを受け持ち、値決めは社長が行う形にしています。
この導入例は「導入イメージ」です。みどり住設(架空)は架空の会社で、数字は想定値です。主宰が操作したのは、架空のデータを入れた画面です。このサイトの書き方
社長の値決めを、御社の計算の決まりのまま画面に。
今のExcelの単価表も活かして作ります。見積1種類からでもお受けします。何をどう頼むか決まっていなくても大丈夫です。御社のやり方に合わせて、進め方を一緒に考えます。
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