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コラム作り方の比べ方

Excelのシフト表から移行する目安は?3つの基準と失敗しない順番

Excelのシフト表から移行する目安は?(記事の表紙)

Excelのシフト表から移行を考えるのは、シフトに入る人が16人以上、勤務4種類以上か守る条件5つ以上、1か月分の作成に10時間以上、の3つのうち2つが当てはまったときです。移るときは、決まりの書き出し、先月の再現、1か月の並行運用、切り替えの順に進めると、決まりの漏れを切り替えの前に見つけられます。(2026年10月時点)

全体の流れと費用はシフト作成の自動化のページにまとめています。

要点

  • Excelのシフト表は、人数16人以上・勤務4種類以上か条件5つ以上・作成に月10時間以上のうち、2つが当てはまれば移行を考える時期です。
  • 実務で使われている表計算ファイル50本を調べた研究(Powellほか、2009年)では、式のセルの0.9〜1.8%に誤りがありました。
  • その率を夜勤のある介護施設40人の勤務表に当てた試算では、確かめる式2,770セルのうち25〜50セルに誤りが入りうる計算です。
  • 移行は決まりの書き出し、先月の再現、1か月の並行運用、切り替えの順に進め、古い勤務表は消さずに残します。
目次
  1. Excelのシフト表から移行するのは、いつがよいですか?
  2. Excelのシフト表は、どこから無理が出るのですか?
  3. Excelからの移行先は、何で選べばよいですか?
  4. Excelからの移行で失敗しないには、どんな順番で進めますか?
  5. 古いExcelのシフト表は、移行したら消してよいですか?
  6. このサイトで相談するには?
  7. よくある質問

Excelのシフト表から移行するのは、いつがよいですか?

人数、勤務の種類と条件、作成の時間の3つのうち、2つ以上に当てはまったら、移行を考える時期です。1つだけなら、まず今のExcelに確かめる式を足す方法から試せます。

3つの基準と、当てはまったときに起きやすいことは次のとおりです。

基準 目安 当てはまると起きやすいこと
人数 シフトに入る人が16人以上 希望の回収と集計だけで何時間もかかる
勤務の種類と条件 勤務4種類以上か、守る条件5つ以上 1か所直すと別の条件が崩れ、作り直しが続く
作成の時間 1か月分を作るのに10時間以上 作る人が休むと、勤務表が出せない

これらの線は、手組みゼロの主宰の目安です。統計から出した値ではありません。シフト作成に毎月何時間かかるかを測った公的な統計は、2026年10月の時点では見つけられませんでした。作成の時間は、作る人に先月の分を思い出してもらい、希望の回収から配るまでを足して数えます。

Excelのシフト表から移行するかを決める判定の図。人数16人以上、勤務4種類以上か条件5つ以上、作成に月10時間以上のうち、当てはまる数が0個ならExcelのまま、1個なら式を足す、2〜3個なら移行を考える
図1 3つの基準のうち、2つ以上で移行を考える。線の位置は主宰の目安で、職場の事情で前後します。作り方ごとの向き不向きはシフト表の作り方の比較にまとめています。

Excelのシフト表は、どこから無理が出るのですか?

決まりを式で確かめ始めると、式のセルが人数×日数で増え、式そのものの誤りに気づきにくくなります。米ダートマス大学のPowellらは、実務で使われている表計算ファイル50本を調べました(2009年)。誤りがあったのは、式のセルの0.9〜1.8%です。幅は、誤りを広く数えるか狭く数えるかの違いから出ています。

この率を勤務表に当てはめて試算しました。例は、夜勤のある介護施設(勤務6種類)の40人分です。日ごとの人数、夜勤の資格者、人ごとの集計、連勤、夜勤の翌日を1セルずつ式で確かめると、式のセルは2,770個になります。

このうち誤りを含みうるセルは25〜50個です。日勤中心の店舗(勤務3種類)の40人なら、式のセルは250個、誤りは2〜4個にとどまります。

決まりをExcelの式で確かめるときの式のセルの数の試算の横棒グラフ。日勤中心の店舗は10人130セルから80人410セル、夜勤のある介護施設は10人850セルから80人5,330セル。40人の介護施設では誤りを含みうるセルが25〜50
図2 夜勤と条件のある勤務表ほど、式のセルが人数に比例して増える。式の置き方は仮定で、誤りの数は論文の率を当てた計算値です。計算は scripts/figs/fig_excel_shift_migration.py で再現できます。

この試算には限界があります。論文の50本は勤務表ではなく、企業や行政機関などから集めた、さまざまな業務の表です。式をコピーして使う作りなら、誤りは同じ形で何か所にも出ます。それでも、確かめる式が増えるほど、式を確かめる手間も増えるという向きは読み取れます。

Excelからの移行先は、何で選べばよいですか?

今のExcelの形と勤怠へのつなぎ方を残したいかどうかで選びます。シフト管理サービスに移ると、画面とデータの形はサービスのものになります。条件に合わせた自動作成なら、今の勤務表の形のまま読み書きできます。

2026年10月16日に公式ページで確かめた費用と、移るときの手間を比べました。

移行先 費用 勤務表の形 移るときの手間
A社(シフト管理サービス) 1人あたり月330円(税込)〜、初期費用なし サービスの画面に移る 職員のアプリ登録、希望の出し方の変更
C社(自動作成つきのサービス) 300円/ID〜(年払いの場合) サービスの画面に移る 配置基準などの条件の設定
手組みゼロのシフト作成の自動化 一式30万円〜、毎月0円〜 今のExcelの形のまま 決まりの書き出し

A社を40人で使うと、3か月目から月13,200円〜です。A社の料金ページには、自動で組む機能の説明はありませんでした。希望の回収と配るのが主な手間なら、まずA社のような無料期間のあるサービスで、先月の勤務表を作れるか試すのが近道です。

Excelからの移行で失敗しないには、どんな順番で進めますか?

決まりの書き出し、先月の再現、1か月の並行運用、切り替えの4段階で進めます。一度で全部を切り替えると、セルの色やメモ、作る人だけが覚えていた決まりが抜け落ちます。漏れが分かるのは、切り替えた月になってからです。

  1. 決まりを書き出す。必要人数、夜勤の人数と資格、連勤の上限、休日の数、希望休の扱いを一覧にする(シフトの制約条件とは)
  2. 先月を再現する。新しい方法で先月分を作り、実際に使った勤務表と見比べる
  3. 1か月だけ並行で使う。新しい方法で作り、Excelは確かめる側に回す
  4. 切り替える。希望の締切と、決まった勤務表を知らせる期限と方法を、先に職員へ伝える
Excelのシフト表から移行する4段階の流れ図。決まりを書き出す、先月を再現する、1か月並行で使う、切り替える。並行運用で違いが出たら、書き出した決まりに戻って足す
図3 先月の再現と並行運用で、決まりの漏れを切り替えの前に見つける。違いが出た所が書き出しの漏れです。

4つ目は、職員との取り決めにも関わります。厚生労働省の「シフト制」の留意事項は、2022年1月に出され、2026年6月に改正されました。その中で、シフト作成のルールを使用者と労働者があらかじめ話し合って定めておくことが考えられる、としています。例に挙がっているのは、作る前に労働者の意見を聴くことと、確定したシフト表を通知する期限や方法です。

移行で希望の出し方や配り方が変わるなら、この取り決めも一緒に見直します。

古いExcelのシフト表は、移行したら消してよいですか?

消さずに、少なくとも数年は残しておきます。労働基準法109条は、労働者名簿、賃金台帳、賃金その他労働関係に関する重要な書類を5年間保存するよう求めています。143条の経過措置により、当分の間は3年間です。

勤務表がこの「重要な書類」に当たるか、紙とファイルのどちらで残すかは、職場の運用で答えが変わります。顧問の社会保険労務士に確かめてください。

残しておくと、移行の効果も確かめられます。移行前の1年分の勤務表があれば、夜勤の回数の偏りや作り直しの回数を、移行後と同じ数え方で比べられます。勤怠の打刻や給与と照らし合わせるときも、当時の予定を見返せます。

残すときは、ファイル名に年月を入れ、配った確定版と途中の下書きを分けておきます。確定版だけを1つのフォルダーにまとめておけば、あとで探す手間がかかりません。

このサイトで相談するには?

Excelのシフト表から移る前に、決まりの書き出しと先月の再現だけを試すこともできます。勤務表をお見せいただかなくても、人数と決まりをうかがえば目安をお答えします。氏名は記号に置き換えたままで構いません。無料で相談するからどうぞ。

よくある質問

並行運用の1か月は、勤務表を2回作るのですか?
いいえ、作るのは新しい方法の1回です。Excelは、新しい案が決まりを守っているかを確かめる側に回します。
シフト管理サービスの無料期間では、何を試せばよいですか?
先月の勤務表を再現できるかを試します。A社は利用開始月と翌月が0円なので、先月の再現と1か月の並行運用に当てられます。
移行するとき、職員への説明は要りますか?
はい。希望の出し方や締切、勤務表を配る方法が変わるなら、切り替えの前に知らせます。厚生労働省の留意事項も、通知の期限や方法を先に定めることを挙げています。

出典

  1. 厚生労働省「いわゆる『シフト制』により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」(令和4年1月7日、改正 令和8年6月19日)(2026年10月16日確認)
  2. e-Gov法令検索「労働基準法」第109条(記録の保存)・第143条第1項(当分の間は3年間)(2026年10月16日確認)
  3. Powell, S. G., Baker, K. R., Lawson, B. (2009) Errors in Operational Spreadsheets. Journal of Organizational and End User Computing 21(3), 24–36(実務の表計算50本を監査)(2026年10月16日確認)
  4. A社(シフト管理サービス)の公式の料金ページ(初期費用無料、利用開始月と翌月は0円、3か月目からスタッフ1人あたり月330円・税込)(2026年10月16日確認)
  5. C社(自動作成つきのシフト管理サービス)の公式ページ(300円/ID、年払いの場合)(2026年10月16日確認)