警備業法・労働者派遣法で、データに持つべき項目は?
警備なら検定合格警備員の配置基準、警備員教育の時間と記録、警備員名簿の記載事項です。派遣なら派遣元管理台帳の13の事項と派遣期間の上限、労使協定方式の賃金の区分と通勤手当の扱い、年1回の事業報告と情報提供、混ざる会社は請負と派遣の区分です。
警備員等の検定等に関する規則 第2条(検定合格警備員の配置)
高速自動車国道・自動車専用道路と、都道府県公安委員会が必要と認めた道路での交通誘導警備業務では、交通誘導の1級か2級の検定合格警備員を場所ごとに1人以上配置します。雑踏警備業務や、空港の施設警備などにも基準があります。配置表では、現場ごとの「検定合格者が要るか」と、隊員ごとの検定の種類と級をデータに持ちます。
出典:e-Gov法令検索 警備員等の検定等に関する規則(2026年10月16日確認)
警備業法 第45条・施行規則 第66条(警備員名簿)
営業所ごとに警備員の名簿などを備え付けます。名簿には氏名・住所・生年月日・採用年月日、警備員教育の実施年月日と内容、従事させる業務、合格証明書の種別と番号などを書きます。台帳と教育の記録から埋まる欄が多い帳票です。
出典:e-Gov法令検索 警備業法(2026年10月16日確認)
労働者派遣法 第4条第1項第3号(派遣できない業務)
港湾運送業務(第1号)、建設業務(第2号)、警備業法第2条第1項各号の警備業務(第3号)などは、労働者派遣事業を行ってはなりません。警備会社の隊員は自社で雇って請負で現場に出すため、派遣の帳票とは別の流れになります。
出典:e-Gov法令検索 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(2026年10月16日確認)
労働者派遣法 第37条(派遣元管理台帳)・第35条の3・第40条の2(期間の上限)
派遣元は事業所ごとに派遣元管理台帳を作り、派遣労働者ごとに13の事項を書いて、派遣の終了日から3年保存します。同じ組織単位に同じ人を派遣できるのは3年まで(第35条の3)で、派遣先の事業所単位の期間も原則3年が上限です(第40条の2)。無期雇用の人、60歳以上の人、有期のプロジェクトなどは、この上限の対象外です(第40条の2第1項各号)。台帳には「無期か有期か」「60歳以上か」を持たせ、抵触日の近い人だけを警告します。
出典:e-Gov法令検索 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(2026年10月16日確認)
警備業法 第21条・第22条、施行規則 第38条・第39条・第66条(警備員教育と指導教育責任者)
警備員教育は、新しく警備業務に就かせる人に基本教育と業務別教育を合わせて20時間以上、すでに就いている人に毎年度10時間以上です(検定や資格者証を持つ人、経験のある人は短くなるか要らない区分があります)。指導教育責任者は、営業所ごと・警備業務の区分ごとに置きます。教育の実施年月日・内容・時間数・実施者は名簿と年度ごとの記録に書き、年度ごとの記録は年度の終わりから2年間備えておきます。台帳に教育の記録を持たせると、今年度の時間が足りない人を配置の前に出せます。
出典:e-Gov法令検索 警備業法施行規則(2026年10月16日確認)
労働者派遣法 第30条の3・第30条の4、施行規則 第25条の9(派遣先均等・均衡方式と労使協定方式)
派遣労働者の待遇は、派遣先の通常の労働者との均等・均衡で決める方式(第30条の3)か、労使協定で決める方式(第30条の4)のどちらかです。労使協定方式では、賃金を「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」と同等以上にします(第30条の4第1項第2号イ)。その額は、派遣先の地域で同種の業務に就く、同程度の能力と経験の人の平均です(施行規則第25条の9)。厚生労働省の通知(令和8年度と令和9年度)では、一般基本給・賞与等を「職種別の基準値×能力・経験調整指数×地域指数」で出し、時給に直して比べます。通勤手当は、実費を払う方法か、一般の労働者の通勤手当に当たる時給換算額(令和8年度は79円、令和9年度は67円)以上を払う方法かを労使で選び、基本給などと合算して比べることもできます。台帳と給与のデータには、協定対象か、職種、経験の年数の区分、派遣先の地域、通勤手当の方式と上限を持たせ、時給が下回る人を警告します。
出典:e-Gov法令検索 労働者派遣法/厚生労働省 職業安定局長通知(職発0825第1号、令和7年8月25日)(2026年10月16日確認)
労働者派遣法 第23条第1項・第5項、施行規則 第17条・第18条の2(事業報告と情報提供)、第34条(就業条件等の明示)
派遣元は、事業所ごとの労働者派遣事業報告書を、事業年度が終わった月の翌月以後の最初の6月30日までに出します(施行規則第17条第4項第1号)。労使協定方式なら協定を添えます(同条第3項)。事業所ごとの派遣労働者の数、派遣先の数、マージン率(料金の平均額から賃金の平均額を引き、料金の平均額で割った割合)、料金と賃金の1人1日あたりの平均額、協定を結んでいるかなどは、インターネットなどで情報提供します(第23条第5項、施行規則第18条の2)。派遣するときは、就業条件と抵触日を派遣労働者に明示します(第34条)。請求と給与のデータに派遣先と就業日を持たせると、報告書の数と平均額、明示書の欄を同じデータから出せます。
出典:e-Gov法令検索 労働者派遣法施行規則(2026年10月16日確認)
労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(昭和61年労働省告示第37号)
請負の契約でも、仕事の進め方の指示、始業・終業や残業の指示、配置の決定と変更を自社で行わなければ、労働者派遣事業として扱われます。警備は労働者派遣では出せないため、請負で現場に出します。清掃は請負の現場も派遣の現場もあり、請負の現場で客先がスタッフに直接指示すると偽装請負になりえます。台帳と配置の画面に現場ごとの契約の形を持たせ、請負の現場は自社の隊長やリーダーの名前を出して、指示の流れを分けます。
出典:厚生労働省 労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(2026年10月16日確認)
条文はe-Gov法令検索で、告示は厚生労働省の掲載で、2026年10月16日に確かめました。交通誘導の検定合格警備員の配置が要る路線は、都道府県の公安委員会が定めます。自社の現場が当てはまるかは、営業所のある都道府県の公安委員会の告示で確かめてください。日雇派遣の例外や、派遣期間の延長の手続きのように、自社が当てはまるか分かりにくい所は、顧問の社会保険労務士か弁護士に確認してください。人まわし帳が作るのは、決まりをデータの項目と警告にする所までで、法令に合っているかの判断はしません。労使協定方式の一般賃金と通勤手当の比べ方は、労使協定方式の一般賃金の記事で清掃員の時給を例に計算しています。
よくある質問
- 警備会社は労働者派遣を使えますか?
- 警備業法第2条第1項各号の警備業務は、労働者派遣法第4条第1項第3号で派遣事業が禁じられています。労働者派遣では出せないため、自社で雇った隊員を請負で現場に出します。
- 派遣元管理台帳には何を書きますか?
- 派遣労働者ごとに13の事項を書き、派遣の終了日から3年保存します(労働者派遣法第37条)。一覧は上の表と、派遣元管理台帳の記事にあります。
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- e-Gov法令検索 警備員等の検定等に関する規則(2026年10月16日確認)
- e-Gov法令検索 警備業法(2026年10月16日確認)
- e-Gov法令検索 労働者派遣法(2026年10月16日確認)
- e-Gov法令検索 警備業法施行規則(2026年10月16日確認)
- e-Gov法令検索 労働者派遣法施行規則(2026年10月16日確認)
- 厚生労働省 職業安定局長通知「令和8年度の労使協定方式に関する一般賃金」(職発0825第1号、令和7年8月25日)(2026年10月16日確認)
- 厚生労働省 職業安定局長通知「令和9年度の労使協定方式に関する一般賃金」(職発0828第5号、令和8年8月28日)(2026年10月17日確認)
- 厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号)(2026年10月16日確認)
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