販売管理パッケージが合わないのはどこ?卸の商習慣20項目を公開資料で照合

販売管理パッケージが合わないとは、卸の商習慣の一部を製品の機能や設定で持てず、Excelなどの別の表に残すことです。商いの帳場が卸の商習慣20項目をB社(インストール型の販売管理パッケージ)の公開資料に当てると、標準5・設定で対応8・記載なし7でした。記載なしは、特値の期間、単価の改定日、直送の仕入と売上の同時計上、預かり在庫、税額を計算する単位などに集まります(2026年10月時点)。
全体の流れと費用は販売管理の基礎のページにまとめています。
要点
- 卸の商習慣20項目をB社の公開資料に当てると、標準5項目・設定で対応8項目・記載なし7項目でした。
- 記載なしの7項目は、期間や日付で変わる単価、1つの受注から複数の伝票を作る動き、税額の計算単位に集まります。
- 分納と受注残、締め日が違う得意先の一括請求、得意先別の価格表は、B社の公開資料に機能か設定として書かれています。
- 伝票の上限は種類の合計60万明細で、1日300明細なら売上だけで約8.2年、受注と発注も使うと約2.7年で届きます。
目次
販売管理パッケージが合わないのは、どの商習慣ですか?
合わない所は、期間や日付で変わる単価、1つの受注から複数の伝票を作る動き、税額を計算する単位に集まります。商いの帳場が卸の商習慣20項目をB社(インストール型パッケージ)の公開資料に当てると、「記載なし」が7項目でした。自社用に作る販売管理システムの独自開発を考える前に、合わない所を件数で押さえておきます。
記載なしは物流の3項目が最も多く出ました。
| 区分 | 項目数 | 標準 | 設定で対応 | 記載なし |
|---|---|---|---|---|
| 単価 | 6 | 1 | 3 | 2 |
| 物流 | 6 | 2 | 1 | 3 |
| 請求・帳票 | 8 | 2 | 4 | 2 |
| 合計 | 20 | 5 | 8 | 7 |
標準は伝票や帳票の機能として書かれているもの、設定で対応は台帳や設定に登録して使うものです。記載なしは公開資料に記述が見当たらないもので、「できない」という意味ではありません。
卸の商習慣20項目は、B社の公開資料でどう判定されましたか?
分納と受注残、締め請求と都度請求、適格請求書など5項目は、標準の機能として書かれていました。得意先別の価格表、掛け率、締めグループなど8項目は、台帳や設定で持つ形です。当てた資料はB社の機能紹介9ページ、主要スペック、サポート情報の1ページです。2026年10月16日に開いて確かめ、根拠は原文から短く引きました。
単価と物流の12項目は、どう判定されましたか?
単価と物流の12項目では、標準3・設定で対応4・記載なし5でした。
| 区分 | 卸の商習慣 | 判定 | 公開資料の記載 |
|---|---|---|---|
| 単価 | 得意先×商品の単価 | 設定で対応 | 商品価格表で「得意先別商品別…での価格設定が可能」 |
| 単価 | 1商品の複数の売価を得意先で使い分け | 設定で対応 | 「得意先ごとに使用する単価を使い分けることも可能」 |
| 単価 | 掛け率 | 設定で対応 | 「得意先台帳に登録した掛率が表示されます」 |
| 単価 | 特値の期間 | 記載なし | 期間の指定の記述なし |
| 単価 | 単価改定の適用開始日 | 記載なし | 「単価一括変更」はあるが適用日の記述なし |
| 単価 | 前回の売価の参照 | 標準 | 「単価履歴表示」 |
| 物流 | 分納と受注残 | 標準 | 「一部出荷」を含む「5つの出荷状態に対応」 |
| 物流 | メーカー直送の発注 | 標準 | 「発注伝票で直送先や自社倉庫を発送先として指定」 |
| 物流 | 直送の仕入と売上を1つの受注から作る | 記載なし | 売上との連動の記述なし |
| 物流 | 預かり在庫 | 記載なし | 預かりの記述なし |
| 物流 | 納入先(現場・支店) | 設定で対応 | 「納入先台帳」 |
| 物流 | ロット・賞味期限 | 記載なし | 記述なし |
請求・帳票の8項目は、どう判定されましたか?
請求・帳票の8項目では、標準2・設定で対応4・記載なし2でした。
| 区分 | 卸の商習慣 | 判定 | 公開資料の記載 |
|---|---|---|---|
| 請求・帳票 | 締め日が違う得意先の一括請求 | 設定で対応 | 「締めグループに基づき、同一締日の得意先の請求書を一括発行」 |
| 請求・帳票 | 締め請求と都度請求の混在 | 標準 | 「締め請求・都度請求の両方に対応」 |
| 請求・帳票 | 本社など別の請求先への請求 | 設定で対応 | 3通りの形。1通りは「インボイスの要件に非対応」 |
| 請求・帳票 | 適格請求書と税率ごとの税額 | 標準 | 「税率ごとの消費税額を自動で集計」 |
| 請求・帳票 | 端数処理の方法 | 設定で対応 | 「端数処理方法など」を設定 |
| 請求・帳票 | 税額を計算する単位 | 記載なし | 納品書ごとか請求書で1回かの記述なし |
| 請求・帳票 | 返品・値引きの適格返還請求書 | 記載なし | 記述なし |
| 請求・帳票 | 今の帳票の形で出す | 設定で対応 | 帳票レイアウタで「項目の位置…などを自由に設定」 |
設定で対応でも、中身が自社の決めごとと同じとは限りません。掛け率は得意先台帳に持てますが、何に掛けるのかは公開資料から読み取れませんでした。直送の発注はプロフェッショナル以上の製品の機能です。
「記載なし」の7項目は、なぜExcelに残りやすいのですか?
7項目の多くは、日付で効き目が変わる決めごとか、1つの受注から複数の伝票を作る動きだからです。伝票を1枚ずつ入れる製品では、こうした決めごとを別の表と人の確認で持ちがちです。
特値の期間と改定日を持たないと、終わった特値が残ります。改定日をまたぐ受注では、単価の取り違えも起きます。持ち方の違いは得意先別の単価・掛け率・特値の持ち方で数えました。
直送と預かりは、受注明細1行から足す行がどちらも4行です。行の足し方は卸の直送・預かり・返品の持ち方にまとめています。
税額を計算する単位は、インボイスの税額に直接効きます。B社の資料には端数処理の方法の設定はありますが、納品書ごとか請求書で1回かは書かれていません。架空の1か月分(納品20回)では、切り捨てでの差は12円でした(インボイスの端数処理の計算)。
件数の上限には、どんな条件で当たりますか?
B社の主要スペックの上限は、伝票が10種類の合計で60万明細、1伝票の明細が100行です。台帳は得意先・仕入先・商品・倉庫の合計で25万件です。卸で先に当たりやすいのは伝票の合計で、売上だけでなく受注・発注・入金なども足して数えます。
1日300明細・年245日なら、売上だけで約8.2年、受注と売上で約4.1年で届きます。受注・売上・発注を使うと約2.7年です。受注残や直送の発注を使うほど、上限に早く届きます。1つの事業所データに積み続けた場合の計算です。
1伝票100行は大口の注文で効き、n行の注文は「n÷100の切り上げ」枚に分かれます。250行なら3枚です。台帳の25万件は、導入例(イメージ)の中くらいの卸(得意先400社・商品3,000点、架空)なら上限の1.4%です。明細数ごとの年数は販売管理のExcelの限界にまとめました。
自社に合うかどうかは、どう確かめればよいですか?
20項目の表を自社に合わせて足し引きし、記載なしの項目だけを伝票の例で販売店や体験版に確かめます。
- 今の受注票・納品書・請求書で、Excelに写している所に印を付ける
- 印の所が20項目のどれに当たるかを分け、当たらないものは項目を足す
- 記載なしの項目を「9月30日で終わる特値」「250行の注文」のような具体的な例で確かめる
- 合わない項目ごとに、Excelで持つ手間が月に何回出るかを数える
記載なしが0〜1項目で、件数が上限に収まるなら、パッケージのまま使うほうが合っています。合わない項目を毎月Excelに写しているなら、その部分だけを自社用に作る場合と費用を比べます。違いは方式の比較と5年総額の計算で確かめられます。
合わない項目を、主宰と一緒に見る
合わない項目がどこか、今の伝票の形のまま商いの帳場の主宰が一緒に見ます(無料で相談する)。何をどう頼むか決まっていなくても大丈夫です。御社のやり方に合わせて、進め方を一緒に考えます。準備は要りません。
よくある質問
- 記載なしの項目は、B社ではできないということですか?
- そうとは限りません。公開資料に記述が見当たらなかったという判定です。体験版か販売店で、記載なしの7項目だけを具体的な伝票の例で確かめます。
- 1枚の注文が100行を超えると、どうなりますか?
- B社の主要スペックでは1伝票の明細は100行までなので、2枚以上の伝票に分けて入れます。250行の注文なら3枚です。納品書ごとに税額を出す運用では、端数処理の回数も枚数の分だけ増えます。
- 締め日が3つある卸でも、パッケージで一括請求できますか?
- B社の公開資料では、得意先台帳の締めグループで同じ締日の得意先の請求書をまとめて出せます。締めグループをいくつ持てるかは書かれていないので、販売店に確かめます。
- 記載なしが1つだけなら、パッケージのままでよいですか?
- 多くの場合はそれで足ります。残る1項目をExcelで持つ手間が月に何回出るかを数え、手間が小さければパッケージのまま使います。
出典
- B社(インストール型の販売管理パッケージ)公式の機能紹介(導入・設定/見積・受注・売上/請求・回収/発注・仕入・支払/在庫・生産/便利な機能・サービス/機能一覧/メニュー一覧/印刷帳票一覧の9ページ)(2026年10月16日確認)
- B社 公式の主要スペック(台帳は得意先・仕入先・商品・倉庫の合計25万件、伝票は10種類の合計60万明細、1伝票の明細100行)(2026年10月16日確認)
- B社 サポート情報「見積書の作成」(得意先台帳に登録した掛率が表示され、変更は得意先台帳で行う)(2026年10月16日確認)
- 商いの帳場の照合と計算(2026年10月16日、Python 3.14.2、標準ライブラリだけ。20項目の判定と根拠の引用、上限に届く年数。/sales-management-app/scripts/sales_package_fit_gap.py)(2026年10月16日確認)


