派遣のマッチングを自動化して効率化するには?外せない条件で絞り、点数で並べる
派遣のマッチングは、条件を「外せない条件(資格・稼働日・通勤範囲)」と「優先条件(希望・就業実績)」に分け、外せない条件で絞ってから点数順に並べると効率化できます。担当者は上位の候補だけを確かめればよくなります。厚生労働省の集計では、派遣事業所1所あたりの登録者は226.7人です。人まわし帳の運営者が架空の登録者3,000人で試算すると、外せない条件5つで14人まで絞れました。(2026年10月時点)
全体の流れと費用は派遣・警備・清掃の人材管理ガイドのページにまとめています。
要点
- 派遣のマッチングは、外せない条件で絞り、優先条件の点数で並べる2段に分けると自動にできます。
- 派遣事業所1所あたりの登録者は226.7人です(厚生労働省、令和6年度、実績のあった33,207所)。
- 架空の登録者3,000人の試算では、外せない条件5つで14人に絞れ、乱数を100通り変えても中央値14人でした。
- 「希望職種」まで外せない条件にすると、100通り中63通りで必要な5人を割りました(運営者の試算)。
目次
派遣のマッチングは、どうすれば効率化できますか?
条件を2つに分けると効率化できます。まず、資格や稼働日のように1つでも欠けたら紹介できない「外せない条件」で絞ります。希望や就業実績のような「優先条件」は、点数にして並べます。担当者は、並んだ上位の数人だけを確かめれば済みます。
厚生労働省が派遣元の事業報告をまとめた令和6年度の集計(速報)では、派遣の実績があった事業所は33,207所です。1所あたりの登録者は226.7人です。数百人の中から、オーダーごとに5つほどの条件を重ねて目で探すと、時間がかかるうえに見落としも出ます。
2つの条件の違いを、次の表にまとめました。外せない条件は「はい・いいえ」で判定でき、優先条件は程度の差を点数にできます。
| 種類 | 例 | 機械の扱い | 外れたとき |
|---|---|---|---|
| 外せない条件 | 資格、稼働日、通勤範囲、期間制限、NG | 満たさない人を外す | 紹介できない |
| 優先条件 | 希望職種、同じ職種の就業実績、前回の評価、近さ | 点数にして足す | 順位が下がるだけ |
外せない条件で絞ると、登録者3,000人から何人残りますか?
架空の登録者3,000人の試算では、外せない条件を5つ重ねると14人が残りました。オーダーは「倉庫の入出庫、フォークリフトの資格が必要、平日週5日、8:30〜17:30、5人」と置いています。
登録者の割合は、運営者が置いた仮の値です。今月就業できる人35%、フォークリフトの資格を持つ人15%、平日5日働ける人40%としました。
自宅は派遣先から半径30km内に散らばると置きました。通勤は「10分+1kmあたり2.5分」の目安です。3,000人は厚生労働省の平均226.7人の約13倍で、登録者の多い事業所を想定しています。
乱数の種を1〜100に変えて同じ計算を100回繰り返しました。残る人数の中央値は14人で、少ない回は6人、多い回は30人でした。必要な5人を割った回はありません。
条件の順番を入れ替えても、最後に残る人数は変わりません。順番が効くのは、途中で何人いるかの見え方だけです。
優先条件の点数は、どう決めればよいですか?
優先条件をそれぞれ0〜1の点に直し、重みを掛けて足します。この試算では希望職種・就業実績・前回の評価・近さの4つを使い、重みの組み方を3通り試しました。
結果は、重みを変えると上位5人のうち1〜2人が入れ替わる、というものでした。乱数100回の平均では、実績重視で1.18人、近さ重視で1.13人が入れ替わっています。乱数の種1の例では、1位の人はどの重みでも同じで、入れ替わったのは4〜5位の人でした。
点数の計算(haken_matching.py)の要点は次の数行です。重みは会社の方針なので、画面から直せるようにしておきます。
def parts(p): # 優先条件を0〜1の点に直す
return {'希望': 1.0 if p['wish'] else 0.0, '実績': min(p['months'], 24) / 24,
'評価': (p['eval'] - 3) / 2, '近さ': 1 - (p['minutes'] - 10) / 35}
score = sum(w[k] * parts(p)[k] for k in w) / sum(w.values()) * 100
試算の限界も書いておきます。登録者の属性は互いに無関係な乱数で作っており、実際の名簿のように「資格を持つ人ほど就業中」といった偏りは入っていません。
派遣のマッチングの自動化は、どんな順番で進めますか?
登録者台帳のデータをそろえる所から始めます。台帳の項目が空だと、絞り込みと点数がはたらかないからです。私が仕組みを作るときは、次の順で進めます。
- 過去のオーダーを見て、外せない条件と優先条件を担当者と仕分ける
- 登録者台帳に、資格・稼働できる曜日・最寄り駅・就業実績・評価の欄をそろえる
- 外せない条件で絞る画面を作り、担当者の手探しと結果を見比べる
- 優先条件の点数をつけ、点数の内訳を候補の横に出す
- 打診の結果(受けた・断った)を残し、重みを見直す
いちばん効くのは3の見比べです。手探しで選ばれた人が自動の絞り込みから漏れていたら、条件の書き方か台帳のデータが違っています。人まわし帳では、この見比べの画面を最初の試作で作ります。
マッチングを自動にするとき、何に注意しますか?
いちばん注意したいのは、優先条件を外せない条件に入れすぎないことです。架空の試算で「希望職種」まで外せない条件にすると、残る人数の中央値は4人でした。100通り中63通りで、必要な5人を割っています。希望は、点数で上位へ寄せる程度にとどめます。
期間制限は、外せない条件として機械に判定させます。労働者派遣法第35条の3は、同じ派遣先の同じ組織単位に、同じ派遣労働者を3年を超えて派遣することを禁じています。派遣先、組織単位、派遣期間は、第37条で事業所ごとに作る派遣元管理台帳の記載事項です。台帳と登録者のデータが同じ所にあれば、そのまま判定に使えます。
台帳の記載事項は派遣元管理台帳の記事で数えています。
もう1つは、台帳の鮮度です。「今月就業できる」の欄が古いと、絞り込みの1段目から外れます。打診の結果を台帳に戻す手間を、担当者の操作1回で済む形にしておくと、データが古くなりにくくなります。外せない条件を全部守る組み合わせを計算で選ぶ考え方は、警備員の配置の最適化の実験と同じです。
このサイトで相談するには?
登録者の探し方を、人まわし帳では御社のやり方に合わせて仕組みにします。何をどう頼むか決まっていなくても大丈夫で、準備は要りません。今のオーダーの受け方と探し方をうかがい、進め方を一緒に考えます。無料で相談するからどうぞ。
よくある質問
- AIを使わないと、マッチングは自動にできませんか?
- いいえ。外せない条件での絞り込みと点数づけは、決まった計算で作れます。AIは希望の文章を読み取る所などで足す程度です。
- 登録者が数百人でも、自動にする意味はありますか?
- あります。登録者226.7人でも、条件を5つ重ねて目で探すと見落としが出ます。絞り込みを先に機械にさせると、確かめる人数が減ります。
- 点数の重みは、誰が決めるのですか?
- 派遣会社が決めます。架空の試算では重みを変えると上位5人のうち平均1.1人ほどが入れ替わるので、成約した人の点数を見ながら担当者と一緒に直します。
- 希望職種を外せない条件にしてはいけませんか?
- おすすめしません。架空の試算では、希望職種まで外せない条件にすると100通り中63通りで必要な5人を割りました。