派遣元管理台帳の記載事項は何項目?勤怠と契約のデータで自動で埋まる欄を数える
派遣元管理台帳は、派遣元が派遣労働者ごとに作る記録です。労働者派遣法第37条が13の記載事項を定め、派遣の終了日から3年の保存を求めています。第13号を施行規則の12事項まで開くと欄は24になります。人まわし帳の運営者が出どころを分けて数えると、24欄のうち18欄(75%)は人事・契約・勤怠のデータから自動で埋められました。手で入れるのは雇用安定措置・教育訓練・苦情など5欄です。(2026年10月時点)
全体の流れと費用は派遣・警備・清掃の人材管理ガイドのページにまとめています。
要点
- 派遣元管理台帳の記載事項は、労働者派遣法第37条第1項の13号で、派遣の終了日から3年保存します。
- 第13号を施行規則第31条の12事項まで開くと、台帳に設ける欄は24になります。
- 24欄のうち18欄(75%)は人事・契約・勤怠のデータから自動で埋まり、手入力は5欄です(運営者の整理)。
- 2026年10月1日の改正で増えたのは雇入れ時・派遣時の明示事項で、台帳の13号は変わっていません。
目次
派遣元管理台帳の記載事項は、何項目ありますか?
条文の上では13項目です。労働者派遣法第37条第1項は、派遣元が派遣労働者ごとに台帳を作り、第1号から第13号の事項を書くよう定めています。第13号は「その他厚生労働省令で定める事項」で、施行規則第31条が12の事項を挙げています。第13号を開くと、台帳に設ける欄は24になります。
条文13号の中身を、短い言葉に直して並べました。第3号の「厚生労働省令で定める者」は、施行規則第32条の4で60歳以上の者と決まっています。
| 号 | 記載する事項 |
|---|---|
| 1〜3号 | 協定対象の派遣労働者か否か、無期・有期の別と契約期間、60歳以上か否か |
| 4〜5号 | 派遣先の名称、就業の場所と組織単位 |
| 6〜8号 | 派遣期間と就業日、始業・終業の時刻、業務の種類 |
| 9〜12号 | 雇用安定措置、教育訓練の日時と内容、苦情の処理、紹介予定派遣 |
| 13号 | 省令の12事項(氏名、責任の程度、事業所の名称、派遣元責任者と派遣先責任者、期間制限のない派遣の事項、社会保険の資格取得届の有無の通知など) |
協定対象の派遣労働者は、労使協定方式で待遇を決める派遣労働者のことです。省令の6〜9号は、有期プロジェクトや産休の代替など、期間制限のかからない派遣をするときだけ書きます。厚生労働省は、労使協定方式と派遣先均等・均衡方式のそれぞれに台帳の様式例を載せています。
派遣元管理台帳は、いつ書いて、何年保存しますか?
派遣をするときに書き、派遣の終了日から3年保存します。記載の時期は施行規則第30条第2項、保存期間は法第37条第2項、起算日は施行規則第32条が定めています。台帳は派遣元の事業所ごとに作ります(第30条第1項)。
書いたら終わりではありません。派遣先は、就業日や始業・終業の時刻などを、1か月ごとに1回以上、派遣元に通知します(施行規則第38条)。通知の中身が台帳と違えば、派遣元はそのたびに書き足します(第30条第3項)。台帳を作らない、または書かないと、法第61条第3号により30万円以下の罰金の対象になります。
保存期限は人ごとに違います。架空の例で、2026年10月1日に派遣を始めた人が、更新を重ねて2027年9月30日に終わったとします。この人の台帳は、2030年9月30日ごろまで残します。更新が続く間は終了日が決まらないので、作った日を基準に消すと、まだ残すべき台帳まで消えます。
13項目のうち、勤怠と契約のデータで自動で埋まるのはどれですか?
第1号から第8号と、第13号の省令12事項のうち10事項は、既にあるデータから自動で埋まります。人まわし帳の運営者が、24欄を出どころで4つに分けて数えました。人事(スタッフ台帳と雇用契約)、契約(労働者派遣契約)、勤怠(派遣先からの就業実績の通知)、手入力です。自動は18欄(75%)、一部が自動で残りを手で入れる欄が1、手入力が5欄です。
60歳以上か否かは、生年月日と派遣の日から計算で出せます。派遣先の名称、就業の場所、業務の種類、責任の程度、責任者の名前は、労働者派遣契約を結ぶときに決まっている値です。就業日と始業・終業の時刻は、契約の予定を先に入れ、派遣先の月ごとの通知で実績に置き換えます。
手間が残るのは、勤怠の照らし合わせです。架空の例で、稼働150人・月20日なら、派遣先の通知と照らす就業日と時刻は月3,000行になります(計算値)。勤怠のデータと通知を機械で突き合わせ、違う行だけを人が確かめる形にすると、書き足しの漏れを防げます。
自動で埋まらない欄は、どう扱えばよいですか?
手入力の5欄は、面談・研修・苦情の受付の記録として入れ、台帳へは自動で写すと扱いやすくなります。5欄は、法の第9号(雇用安定措置)、第10号(教育訓練)、第11号(苦情の処理)と、省令の10号・11号です。省令の2つは、雇用安定措置の希望の聴取と、キャリアの相談などの援助です。どれも人の判断や面談の中身で、起きた日に担当者が記録しないと残りません。
私が仕組みを作るときは、この5欄を台帳の画面で直接書かせません。ふだんの面談や研修の記録の画面に入れてもらい、台帳には同じ値を写します。研修の出欠をすでに別の仕組みで取っているなら、そこから読み込みます。第12号の紹介予定派遣は、契約の有無は自動で入り、求人の条件や結果は手で入れます。
ただし、中身の判断までは仕組みで決めません。次の3つは、社会保険労務士に確かめてから仕組みに入れてください。
1つ目は、ある派遣が省令6〜9号の期間制限のない派遣に当たるかどうかです。2つ目は、教育訓練のうち台帳へ書く対象となる訓練の範囲です。3つ目は、紙の台帳から電子の台帳に移すときの、過去3年分の扱いです。
2026年10月1日の改正で、派遣元管理台帳は変わりましたか?
台帳の記載事項は変わっていません。e-Gov法令検索で2026年10月16日に取得した第37条第1項は、13号のままでした。厚生労働省のページでも、令和8年10月1日の改正の説明に台帳の項目の変更は出てきません。
増えたのは、派遣労働者に伝える明示事項です。厚生労働省によると、2026年10月1日以降、雇い入れるときと派遣するときに明示する事項が1つ増えました。「待遇の相違の内容及び理由等について説明を求めることができる旨」です。同じ改正では、同一労働・同一賃金のガイドラインの明確化と、公正な評価による待遇改善の促進も行われました。
台帳とは別の義務ですが、データの持ち方は近くなります。明示した日と使った書式を、派遣の記録と同じ所に持っておくと、労働局の調査で両方をすぐに出せます。台帳の24欄と明示の記録が同じスタッフ・同じ派遣にひもづいていれば、片方だけ漏れることも見つけやすくなります。
台帳の欄を埋める勤怠の記録は勤怠から請求までの転記の記事、抵触日の数え方は派遣の期間制限の記事、資格取得届の欄に関わる加入の判定は登録スタッフの社会保険の記事で扱っています。
このサイトで相談するには?
人まわし帳は、人材オペレーション管理システムの構築をお手伝いしています。勤怠と契約のデータから派遣元管理台帳を作る仕組みも、その1つです。
何をどう頼むか決まっていなくても大丈夫です。御社のやり方に合わせて、進め方を一緒に考えます。準備は要らないので、無料で相談するからどうぞ。
よくある質問
- 派遣元管理台帳は、紙でなくても構いませんか?
- 第37条は作成・記載・3年の保存を求めていて、紙とは書いていません。電子で持つ場合の扱いは、管轄の労働局か社会保険労務士に確かめてください。
- 派遣先管理台帳と、同じものですか?
- いいえ。派遣先管理台帳は派遣先が作る別の台帳です(法第42条)。派遣先はその中身を月1回以上、派遣元に通知し、派遣元は違いがあれば自分の台帳に書き足します。
- 台帳を作らないと、罰則はありますか?
- あります。法第61条第3号は、第37条に違反した者を30万円以下の罰金としています。
- 60歳以上かどうかは、毎回手で確かめるのですか?
- いいえ。省令が定める年齢は60歳以上なので、スタッフ台帳の生年月日と派遣の日から計算で埋められます。