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スキマバイトと日雇派遣は、どこが違う?派遣・警備・清掃の会社が短期の働き手を管理するときの線引き

スキマバイト(スポットワーク)は、働く先の会社が働き手と直接労働契約を結ぶ形で、派遣会社が30日以内の期間で雇って送る日雇派遣とは別のものです。日雇派遣は原則禁止で、政令の19の業務か、60歳以上・学生・収入500万円以上の人なら例外です。人まわし帳の運営者が架空の短期の派遣の依頼40件を判定すると、8件が禁止に当たりました。警備業務は派遣自体ができません(2026年10月時点)。

全体の流れと費用は派遣・警備・清掃の人材管理ガイドのページにまとめています。

要点

  • スキマバイト(スポットワーク)は働く先が直接雇う形で、仲介アプリの会社は雇い主になりません(厚生労働省のリーフレット)。
  • 派遣会社が30日以内の期間で雇って送る日雇派遣は原則禁止で、政令の業務か、60歳以上・学生・収入500万円以上の人だけが例外です。
  • 架空の短期の派遣の依頼40件では、30日以内が29件、そのうち8件が日雇派遣の禁止に当たりました(運営者の判定)。
  • 警備業務は派遣できず、直接雇っても、新しく就く人には警備員教育(経験のない人は20時間以上)が要ります。
目次
  1. スキマバイトと日雇派遣は、何が違いますか?
  2. 日雇派遣が例外で認められるのは、どんな場合ですか?
  3. スキマバイトで人を入れる会社は、何を管理しますか?
  4. 警備・清掃・イベントの会社は、どこに気をつけますか?
  5. 受ける前の判定を、仕組みでどう回しますか?
  6. このサイトで相談するには?
  7. よくある質問

スキマバイトと日雇派遣は、何が違いますか?

違いは、誰が雇い主かです。スキマバイト(スポットワーク)では、働く先の会社が働き手と直接労働契約を結びます。日雇派遣では、派遣会社が日々か30日以内の期間で雇い、別の会社へ送ります。

厚生労働省が2025年7月に出した使用者向けのリーフレットは、スポットワークを「短時間・単発の就労を内容とする雇用契約」としています。仲介アプリの会社とは労働契約を結ばない、とも書いています。日雇派遣は労働者派遣法の第35条の4で原則禁止です。厚生労働省の速報では、2025年6月1日時点の日雇派遣労働者は40,854人で、前年の29,940人から増えました。

見る点 スキマバイト(スポットワーク) 日雇派遣
雇い主 働く先の会社 派遣会社
指示する人 働く先の会社 派遣先(派遣会社が雇う)
期間の決まり 日雇派遣の禁止は当てはまらない 30日以内は原則禁止
労働条件の明示・休業手当 働く先の会社の義務 派遣会社の義務
短期の働き手は「誰と労働契約を結ぶか」で、守る決まりが分かれる派遣会社が雇って送るのか、働く先が直接雇うのかを最初に確かめる派遣:派遣会社が雇い、派遣先で働く30日以内の雇用(日雇)は原則禁止(第35条の4)政令の業務か、60歳以上・学生・収入500万円以上の人なら例外。警備業務はそもそも派遣できない(第4条)スポットワーク:働く先が直接雇う仲介アプリは雇わない。働く先と直接の労働契約面接なしの先着順なら、応募の時点で成立しうる労働条件の明示・休業手当・労災は働く先の責任日雇派遣の禁止は当てはまらない警備・清掃・イベントの会社が気をつける所警備業務は派遣できず、直接雇っても新しく就く人には警備員教育(経験のない人は20時間以上)が要る清掃・設営などは政令の業務に入らないため、派遣で30日以内なら例外の人だけ建物や博覧会場での来訪者の受付・案内は、政令の業務(第4条第1項第12号)に入る日雇派遣労働者は40,854人(2025年6月1日現在、前年29,940人。厚生労働省の速報)根拠:労働者派遣法 第4条・第35条の4、同施行令 第4条、同施行規則 第28条の2・第28条の3(e-Gov)、厚生労働省「スポットワーク」の労務管理(2025年7月)
図1 短期の働き手の2つの形。労働者派遣法と施行令、厚生労働省のリーフレットから運営者が作成(2026年10月16日に確認)。

日雇派遣が例外で認められるのは、どんな場合ですか?

例外は、政令で決めた業務か、決めた人に当たる場合です。どちらも、派遣会社が働き手の安全や雇用管理のための措置を講じていることが前提です。

業務は、労働者派遣法施行令の第4条第1項の19の業務です。ソフトウェアの開発、事務用機器の操作、通訳・翻訳、受付・案内(建物や博覧会場での来訪者の受付・案内)などが入ります。清掃、倉庫の仕分け、イベントの設営は入りません。

人の例外は第4条第2項の3つです。60歳以上の人、学生(定時制の課程や休学中の人などを除く)、収入が500万円以上の人です。収入は本人の1年分の収入で見ます。主に配偶者などの収入で暮らしている人は、世帯の収入を合わせて500万円以上かで見ます(施行規則第28条の3)。

「日雇労働者」は、日々か30日以内の期間を定めて雇う人日数ではなく、雇うときに定めた期間で決まる(第35条の4第1項)日雇派遣の禁止の範囲(1〜30日)31日以上の契約1日7日14日30日45日60日契約の期間と勤務の予定を同じ台帳に持ち、実際の働き方と契約の期間がずれていないかを確かめる労働者派遣法 第35条の4第1項の「日雇労働者」の定義から運営者が作成(2026年10月時点)
図2 日雇労働者の範囲。勤務の日数ではなく、雇うときに定めた期間で決まります。

スキマバイトで人を入れる会社は、何を管理しますか?

働く先の会社が、雇い主として労働基準法などを守ります。面接なしの先着順で決まる求人について、リーフレットは、特段の合意がなければ応募の時点で労働契約が成立すると一般に考えられる、としています。

そのため、成立したあとに会社の都合で丸1日休ませたり早く帰したりすると、休業手当が要ります。指示した着替えなどの準備の時間は労働時間です。けがをしたときの労災保険も、働く先の事業の保険関係で受けます。労働条件通知書は仲介の会社が代わりに出すこともありますが、出す義務は働く先にあります。

台帳では、スキマバイトの人も自社で雇った人として、勤務の予定と実績、労働条件の明示の有無を持ちます。予定と違う時間で働いたときは、すぐに実際の時間を確かめて決めることもリーフレットは求めています。

警備・清掃・イベントの会社は、どこに気をつけますか?

警備業務は、そもそも労働者派遣ができません(労働者派遣法第4条第1項第3号、警備業法第2条第1項各号の業務)。スキマバイトで直接雇う場合も、新しく警備業務に就かせる人には警備員教育が要り、経験のない人なら20時間以上です。短い単発の仕事でも、教育の時間と記録は省けません。くわしくは警備員教育の時間と記録の記事にまとめました。

清掃と設営は政令の業務に入らないため、派遣で30日以内なら例外の人だけです。会場の受付・案内は政令の業務に入ります。同じイベントでも、受付は日雇派遣ができ、設営はできない、と分かれることがあります。

運営者が架空の短期の派遣の依頼40件を判定すると、31日以上の期間が11件、30日以内が29件でした。30日以内のうち政令の業務が12件、例外の人が9件で、残る8件が禁止に当たりました。

架空の短期の派遣の依頼40件のうち、8件は日雇派遣の禁止に当たる業務・契約の日数・年齢・学生か・収入の5つの項目があれば、受ける前に判定できる129118可(政令の業務):12件可(例外の人):9件日雇派遣に当たらない(31日以上):11件不可(日雇派遣の禁止):8件架空の依頼(乱数の種3)を運営者が判定。業務の当てはめは単純化した例。2026年10月時点
図3 架空の依頼の判定。乱数の種3で作った例です(scripts/figs/hiyatoi_sukima.py)。

受ける前の判定を、仕組みでどう回しますか?

依頼を受ける時点で、業務・雇う期間・年齢・学生か・収入の確認の5つの項目を見て判定します。項目が台帳とオーダーにあれば、判定は計算で出せます。

私が仕組みを作るときは、オーダーに業務の種類と期間、スタッフの台帳に生年月日と学生か、収入の確認書類を受け取ったかを持たせます。30日以内のオーダーで、例外に当たらない人を選ぼうとしたときだけ、候補表で止めて知らせます。判断に迷う業務は、顧問の社会保険労務士か弁護士に確かめてもらいます。年齢は生年月日を持たせ、依頼の日の年齢で判定します。

社会保険の加入の判定は登録スタッフの社会保険の記事、派遣の契約から台帳を埋める流れは派遣元管理台帳の記事で扱っています。

このサイトで相談するには?

人まわし帳では、オーダーとスタッフの台帳に判定の項目を足し、受ける前に知らせる仕組みを作ります。何をどう頼むか決まっていなくても大丈夫で、準備は要りません。無料で相談するから、今の受け方をお聞かせください。

よくある質問

派遣会社がスキマバイトのアプリに求人を出してもよいですか?
アプリで集めた人を派遣会社が雇って別の会社へ送るなら、それは派遣です。30日以内の期間なら、日雇派遣の禁止と例外で判定します。
スポットワークで来た人の労働条件通知書は、誰が出しますか?
雇い主である働く先の会社の義務です。仲介の会社が代わりに出す場合も、内容が正しいかを働く先が確かめます。
60歳以上なら、どの業務でも日雇派遣ができますか?
警備や建設など、もともと派遣できない業務を除けば、例外の人に当たります。派遣元が雇用管理の措置を講じていることも条件です。
学生なら、誰でも例外になりますか?
いいえ。定時制の課程の人、休学中の人、卒業後も引き続き同じ会社に雇われる卒業予定者などは、例外の学生から外れます。

出典

  1. 労働者派遣法 第4条・第35条の4(e-Gov 法令検索)(2026年10月16日確認)
  2. 労働者派遣法施行令 第4条(日雇派遣ができる業務と場合。e-Gov 法令検索)(2026年10月16日確認)
  3. 労働者派遣法施行規則 第28条の2・第28条の3(e-Gov 法令検索)(2026年10月16日確認)
  4. 厚生労働省「いわゆる『スポットワーク』における留意事項等をとりまとめたリーフレットを作成し、関係団体にその周知等を要請しました」(2025年7月4日)と使用者向けリーフレット(2026年10月16日確認)
  5. 厚生労働省「労働者派遣事業の令和7年6月1日現在の状況(速報)」(日雇派遣労働者40,854人、2026年3月31日公表)(2026年10月16日確認)