上下番とは、何のことですか?報告の流れと、朝の電話の件数を数えた
上下番とは、警備員が現場で勤務を始めるとき(上番)と終えるとき(下番)に、管制へ入れる報告です。30現場に2人ずつ配置し、起床確認・上番・下番を1人3回ずつ電話で受けると1日180件、1件1.5分なら約4.5時間が電話に使われます(人まわし帳の試算)。架空の開始時刻で並べると、電話は朝6時、7時半、夕方5時からの30分に集まりました。(2026年10月時点)
全体の流れと費用は派遣・警備・清掃の人材管理ガイドのページにまとめています。
要点
- 上下番は、警備員が勤務に就く上番と勤務を終える下番を、管制に知らせる報告のことです。
- 30現場に2人ずつ、1人3回の連絡を1件1.5分で受けると、1日180件・4.5時間、月25日で112.5時間です(試算)。
- 架空の30現場の開始時刻で数えると、6時・7時半・17時からの30分にそれぞれ28件が重なり、42分ぶんの通話になります。
- 警備業法と施行規則・検定規則の条文に「上番」「下番」の語はなく、報告の中身と時刻は会社ごとに決めます。
目次
上下番とは、何のことですか?
上下番は、警備員が勤務に就く「上番(じょうばん)」と、勤務を終える「下番(かばん)」をまとめた呼び方です。警備会社では、隊員が現場に着いて仕事を始めるときと、終えて現場を離れるときに、管制へ報告を入れます。この2つの報告を「上下番報告」と呼びます。
言葉そのものは古く、自衛隊の地方協力本部(新潟)の広報資料にも出てきます。当直や警衛の勤務に就くことを上番、交代して降りることを下番と呼び、旧陸軍の「週番」に由来すると説明しています。
法令には出てきません。警備業法・同法施行規則・警備員等の検定等に関する規則の条文をe-GovのAPIで取得して調べると、「上番」「下番」の語は1つもありませんでした。業界の慣わしの言葉で、何をいつ報告するかは会社ごとに決めます。
報告の種類ごとに、いつ・何を伝えるかの例を表にしました。起床確認は上下番に含めない会社もありますが、管制の電話の件数には効いてきます。
| 連絡 | いつ(8時開始の例) | 隊員が伝えること | 管制がすること |
|---|---|---|---|
| 起床確認 | 6:00ごろ | 起きた、出られる | 来ない人の代わりを探し始める |
| 上番 | 7:30〜8:00 | 現場に着いた、始める | 時刻を記録、未報告の人に電話 |
| 休憩・交替 | 日中 | 予定からの変更 | 変更を記録 |
| 下番 | 17:00ごろ | 終わった、異常の有無、残業 | 時刻を記録、勤怠に回す |
上下番の報告は、どんな流れで進みますか?
隊員が報告し、管制が受けて記録し、報告が来なければ管制から電話する、という流れを1日に何度か繰り返します。記録した上番・下番の時刻は、月末に勤怠・給与・取引先への請求の計算に使われます。
報告を受けるだけなら1件は短く済みますが、来ていない報告を探す手間が別にかかります。紙やホワイトボードで受けていると、予定の人数と届いた報告を見比べて、誰が来ていないかを目で探すことになります。管制の仕事の全体は警備の管制業務とはで説明しています。
報告の時刻がそのまま勤怠になるため、聞き違いや書き写しの誤りは、給与と請求の誤りにつながります。月末の写し直しの手間は勤怠から請求までの転記の記事で数えています。
上下番の電話は、1日に何件になりますか?
1日の件数は「現場の数×1現場の人数×1人の連絡回数」で、時間はそれに1件の分数を掛けて出します。30現場に2人ずつ、起床確認・上番・下番の3回を1件1.5分で受けると、1日180件・4.5時間です。月25日なら112.5時間になります。
人数や回数を変えたときの値を、同じ式で計算しました。起床確認をやめて1人2回・1件1分にすると、30現場でも1日2時間まで下がります。
| 条件 | 配置(人) | 電話(件/日) | 時間(時間/日) | 時間(時間/月) |
|---|---|---|---|---|
| 10現場×2人・3回 | 20 | 60 | 1.5 | 37.5 |
| 30現場×2人・3回 | 60 | 180 | 4.5 | 112.5 |
| 30現場×3人・3回 | 90 | 270 | 6.75 | 168.75 |
| 30現場×2人・2回・1分 | 60 | 120 | 2.0 | 50.0 |
| 50現場×2人・3回 | 100 | 300 | 7.5 | 187.5 |
1件1.5分と月25日は、運営者が置いた仮の値です。上下番の電話の時間を測った公的な統計は、2026年10月の時点で見つかりませんでした。自社の値は1週間ほど正の字で数えて、上下番の電話と転記の時間の計算機に入れてください。計算の式と図はscripts/figs/jouban_kaban.pyで再現できます。
朝の電話は、どの時間に集まりますか?
電話は、現場の開始時刻の2時間前(起床確認)と、開始前の30分(上番)に集まります。架空の30現場・60人で数えると、6時と7時半からの30分にそれぞれ28件が重なりました。1件1.5分なら42分ぶんの通話で、管制1人では30分に収まりません。
この例では、8時開始の14現場が山を作っています。開始時刻のそろった現場が多いほど、山は高く細くなります。5時から9時までの4時間に、1日180件のうち116件(64.4%)が入りました。通話だけで約2.9時間です。
夕方は17時からの30分に、下番の28件が重なります。開始時刻の分布は会社ごとに違うので、この図の山の高さは例として見てください。当日欠勤で代わりの人を探す電話も、朝の山に重なります。その備えは当日欠勤と予備要員の記事で計算しています。
上下番の報告は、いま何で行われていますか?
電話のほか、チャット・メール・専用のアプリが使われています。警備向けの管制システムを売る会社の調査があります。2025年4月に、警備の仕事をしたことのある547人に聞いたインターネット調査です。前年の調査では、報告の方法はチャット58.5%、メール35.5%、専用の打刻アプリ・システム29.6%でした。
2025年はチャットが7.5ポイント減り、専用のアプリが5.4ポイント増えて2位になったと書かれています。引き算すると、チャット51.0%、専用のアプリ35.0%、メール33.8%です(計算値)。電話の割合は記事に数字がありません。自社製品の宣伝を兼ねた調査なので、方向を見る程度にとどめてください。
警察庁は2025年12月に「省力化投資促進プラン ―警備業―」を出しました。上番・下番報告の管理を、配置シフトや給与計算と並ぶシステム化の対象に挙げています。同じ資料では、2025年9月の警備業の有効求人倍率は6.70倍です。電話からスマホへ替える手順は、上下番の報告をアプリに切り替える手順で説明しています。
このサイトで相談するには?
人まわし帳では、上下番の報告から勤怠・請求までをつなぐ人材オペレーション管理の仕組みを作っています。何をどう頼むか決まっていなくても大丈夫です。御社のやり方に合わせて、進め方を一緒に考えます。準備は要りませんので、無料で相談するからお送りください。
よくある質問
- 「下番」は何と読みますか?
- 「かばん」と読みます。上番は「じょうばん」です。自衛隊の広報資料でも、下番は「鞄」と聞き間違えられやすい言葉として紹介されています。
- 上下番の報告は、法律で決まっているのですか?
- いいえ。警備業法・施行規則・検定規則の条文に「上番」「下番」の語は出てきません。報告の時刻や中身は、会社と取引先との取り決めで決めます。
- 起床確認をやめれば、電話は3分の1減りますか?
- 件数は減ります。30現場・60人なら1日180件が120件になります。ただし寝坊に気づくのが上番の時刻になるため、代わりの人を手配する時間は短くなります。
- 上下番の時刻は、勤怠の記録に使えますか?
- 使えます。上番・下番の時刻を出勤・退勤として記録すれば、月末に給与と請求の計算へそのまま回せます。管制が直した所は、直した記録を残します。
出典
- 自衛隊新潟地方協力本部「兵隊屋敷の今昔 第6回」(上番・下番の意味と、旧陸軍の週番に由来する説明)(2026年10月16日確認)
- e-Gov法令検索 警備業法・警備業法施行規則・警備員等の検定等に関する規則(API で本文を取得し「上番」「下番」の語がないことを確認)(2026年10月16日確認)
- 警察庁「省力化投資促進プラン ―警備業―」(令和7年12月22日。上番・下番報告管理のシステム化、警備業の有効求人倍率6.70倍)(2026年10月16日確認)
- 民間の調査(警備向け管制システムの提供会社、2025年4月22〜26日、全国の20代以上の警備業就業経験者 n=547、インターネット調査。2025-05-20 の PR TIMES 配信記事。製品名を伏せるためリンクは載せません)(2026年10月16日確認)
- 人まわし帳の試算(2026年10月16日、30現場・60人・1人3回・1件1.5分・月25日。開始時刻は架空)。scripts/figs/jouban_kaban.py(2026年10月16日確認)